◎パフォーマンス力
ステージでのパフォーマンス力も圧倒的で、観ている側も体温が上がっていく感覚があるほどで、一瞬たりとも目が離せない。

どうすれば観客が楽しめるか、よりメッセージが届くのかをつねに考えているグループだからこそ、アドリブを取り入れたり、メンバー同士でコミュニケーションを取ったりと、同じ楽曲でも同じステージにならないのが彼らの面白いところ。

『Stray Kids 2nd World Tour “MANIAC”』では、バンドが参加していることを生かし、ソロ曲やカバー曲を披露するコーナーを用意。先日のさいたまスーパーアリーナ公演では、宇多田ヒカルの「First Love」や松原みきの「真夜中のドア~stay with me~」、平井堅の「瞳を閉じて」を披露し、ファンを喜ばせようという思いも彼らのパフォーマンス力に通じているように思う。

◎表現力の豊かさ
個性豊かな楽曲を生み出し、それをパフォーマンスで伝えられるのは、根底に表現力の豊かさがあるからだと感じる。

ユニークさや強いインパクトで惹きつける「Back Door」や「MIROH」などのイメージが強いが、2021年に『THE FIRST TAKE』で披露した「Mixtape : OH」や「SLUMP -Japanese ver.-」では等身大な心の機微を、「Scars」では倒れても前に進む力強さを丁寧に表現。ボーカル、ラップ、ダンスすべてにおいて全員のポテンシャルが高いからこそ、どんなジャンルでも彼らの色へと昇華していく。


■人気曲の聴きどころ&見どころ

「CASE 143」
Mini Album『MAXIDENT』に収録され、彼らにとって初めて愛をテーマにした表題曲であることも話題になった同曲。恋に落ちたことを“事件発生”と表現したり、甘いフレーズにはあえてユニークなメロディをあてたりと、ひと筋縄ではいかないラブソングとなっている。後半、リノからスンミンへ軽やかに紡がれる歌声のリレー、ラストのサビではバンチャンのボーカルで勢いが加速したりと、つい惹き込まれる緩急の楽しさは『THE FIRST TAKE』でも楽しんでほしい。


「God’s Menu」
彼らの楽曲の魅力が中毒性のある“麻辣味”と言われるようになったのは、グループにとって初めてMV再生回数1億回を突破した、この「God’s Menu」がきっかけ。自らの楽曲やパフォーマンスをレストランのメニューに重ねた歌詞、まるで料理をしているような振り付けまで、一度見れば頭から離れなくなる魅力が満載だ。ヒョンジンが担当するパートでは、パフォーマンスごとに言い方やセリフ自体をアレンジするのも楽しみのひとつになっている。

「Thunderous」
2ndAlbum『NOEASY』収録の「Thunderous」は、音・声という意味の韓国語“ソリ”、達人を意味する“クン”を組み合わせた造語。随所にメンバーの個性が滲み出ているこの曲は、まず冒頭の“声を上げる俺がチャンビンだ”と名乗りから始まることに驚かされるだろう。過去に披露した、クリスマスや除夜の鐘を取り入れたアレンジでパフォーマンスしたステージも彼らならではの見せ方だ。

「MANIAC」
初めて米Billboard200で1位を獲得した『ODDINARY』の表題曲で、誰もが内面に持つ“マニアックさ”を歌っている。曲の表情はどんどん変化していくように聴こえるが、トラックは非常にシンプルで一人ひとりの声の魅力をじっくりと堪能できる。特にフィリックスが「MANIAC」と繰り返す部分は音数が絞られ、曲の世界へグッと引き込まれるのを感じられるだろう。“世界が定めた常識人のコスプレ準備”“好意が続けば権利だと勘違いする”など、ポップでありながら鋭い牙が見えるフレーズも満載だ。