この記事をまとめると

■自宅の塀や車庫に自分のクルマをぶつけてしまった場合の自動車保険の取り扱いを解説

■自動車保険の対物賠償は他人の物に対して有効なので、自宅の場合は補償対象外となる

■車両保険に加入していた場合は車の修理費は補償されるが、やはり自宅は補償対象外

自動車保険の対物賠償は自分の物には適用されない

 年齢を重ね、自宅に帰ってきてからの駐車に神経を使うようになった。クルマの衝突安全性能が高まることにより、クルマの周囲を自分の目で確認するのが難しくなっている。代わりに、カメラやセンサーなどで障害物などとの接近を確認できる装置が備わるようになったが、それでも、画像やセンサー情報から、クルマの四隅の状況を認識するのに時間を要したり、実感しにくかったりするからだ。

 しかしそれは、年齢だけではなく運転に不慣れな人も感じることかもしれない。画像やセンサーの情報を、頭の中で解釈する作業が必要だからだ。

 そのようなことから、自宅の車庫や塀などにクルマをぶつけてしまう懸念がないわけではない。その場合、自動車保険はどのような補償になっているのか。

 自動車保険には、対物賠償といって損害を与えた物の修理などに支払われる保険がある。だが、それは他人の物であることが前提で、自分の物への補償はされない。

 車両保険に加入していれば、自損事故と呼ばれる補償もあるが、これは自分のクルマの修理に関わる補償なので、クルマをぶつけて壊れた自宅の車庫や塀まで保証してくれるわけではない。

 じつは自宅の物への補償は、自動車保険の対象になっていないのである。

保険にお金をかけるなら愛車に自動駐車機能の装備もあり

 ところが、火災保険では、建物外部からの物体の落下、飛来、衝突などに対する補償として担保される場合がある。加えて、ぶつけたクルマにも修理代の補償がなされるという。ただし、取り扱いの詳しい内容は、保険会社に問い合わせるのが無難だろう。

 いずれにしても、補償内容が増えれば、どのような保険も料金が割り増しになっていくだろう。自宅でぶつけることはまずないと思うと、そうした契約をしないでいる場合が多いのではないか。最近、私の知人(同年配)が、普段は何の問題もなくクルマの出し入れをしている自宅の車庫でぶつけてしまったとこぼしていた。万にひとつとはいえ、起こり得る衝突といえそうだ。

 一方、保険に依存するのではなく、自動駐車機能を装備したクルマを使うのも、衝突を防ぐひとつの方法だ。近年は、軽自動車でも駐車の操作の支援を含め自動駐車機能を装備する車種があるが、グレードによって注文装備できない場合もある。

 クルマの装備も、高いグレードだからより高度な装備を選べるといった従来の発想から、廉価車種でも安全に関わる装備は注文装備できるような、装備に対する新しい発想が、高齢化社会を迎えるにあたって自動車メーカーには必要だと思う。