スマホの画面ロックは自分のためのみにあらず! 驚くべき画面ロック利用の実態とその必要性を考える

みなさんはスマートフォンのセキュリティについて考えたことがあるでしょうか。
「画面ロックならやっているよ」
「セキュリティソフトを入れています」
「怪しいサイトにアクセスしないのもセキュリティだよね」
このように、基本的なセキュリティ意識を持った上でスマホを利用している人はたくさんいると思います。
一方で、画面ロックすら利用していないという人が存在するのも事実です。
MMD研究所が2021年1月に公開した「スマートフォンの認証システムとパスワードに関する調査」によると、
「スマートフォンに画面ロックをかけているか」という項目では、
・iPhoneユーザーの5.7%は画面ロックを利用していない
・Androidユーザーの29.7%は画面ロックを利用していない
・全体では18.0%のスマホユーザーが画面ロックをしていない
このような調査結果となっています。
他社の調査データでも同様の傾向と数字となっており、全体としては画面ロックを利用している人が大多数ではあるものの、
2割前後の人々は画面ロックを利用していないことになります。
5人に1人は画面ロックをしていないと考えるならば、セキュリティ意識の低さを感じざるを得ません。

スマートフォンの種別で大きな差が出た
スマートフォンに画面ロックを掛けずに起こる最大のリスクは、「他人に見られてしまう」ことです。
スマートフォンには、電話番号から住所、写真、仕事や私生活でのメモなど、パスワード無しで閲覧できる情報が大量に保存されています。
これらの個人情報が簡単に覗かれてしまえば、なりすまし行為や迷惑行為、ストーカー行為など、ありとあらゆる犯罪につながる可能性があります。
例えばスマホのアプリや写真を勝手に消されてしまうといったことも、大きなリスクの1つと言って良いでしょう。
実際、「自分以外のスマートフォンを見たことがあるか」という項目では、全体で56.5%もの人々が自分以外のスマートフォン(の中)を見たことがあると答えているのです。
この数字は若い世代ほど高くなる傾向があり、モラルやマナー、ネットリテラシーといったものが十分に醸成されていないことが察せられます。
しかしながら、全体で見ても過半数を超える人々が他人のスマートフォンを見たことがあると答えている以上、敢えて年代でこの問題を切り分ける理由にはなりません。
全世代の問題として取り組むべき事案でしょう。

相手の同意があるなら別だが、勝手に覗き見ている場合も多数あるだろう
●画面ロックで家族や友人を守ろう
それでは、画面ロックにはどのような方法があるでしょうか。
・パスワード
・PINコード
・指紋認証
・顔認証
・虹彩認証
・パターン
現在の一般的なスマートフォンでは、これらがあります。
最も利用されている方法は、iPhoneユーザー、Androidユーザーともに指紋認証がトップです。
iPhoneユーザーの場合、これに顔認証とパスワードが続き、
Androidユーザーの場合、PINコードとパスワードが続きます。
最も安心できる画面ロック方法としても指紋認証がトップとなっており、指紋認証機能への信頼感の高さが伺えます。
顔認証はコロナ禍によってマスクの着用が一般化し、若干使いづらさも感じるところです。
いくらセキュリティレベルが高くても、使いづらい方法は好まれません。
より使いやすく、より安全な画面ロックが求められています。

Androidスマートフォンのパターンロックは横から覗き見られて覚えられやすくセキュリティ的にも甘い印象だ
「私はスマホを見られて困るようなものは入れていない」
「見られて困るようなものをスマホに入れなければいい」
このように考える人もいるかもしれません。
しかしながら、本人は問題なくとも電話帳に記載された連絡先の相手は困ってしまいます。
LINEやTwitterなど、本人になりすまして書き込まれては大きなトラブルも起こしてしまいます。
スマートフォンの画面ロックは、自分のためだけに行うことではありません。
家族や友人、仕事でお世話になっている人々など、数多くの人たちの安全を守るために必要なことなのです。
画面ロックは必ず利用しましょう。
たったそれだけで得られる安心と守れるものがたくさんあります。
執筆 秋吉 健