父の正和さんとトロフィーを掲げる笹生優花(撮影:GettyImages)

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<全米女子オープン 最終日◇6日◇ザ・オリンピッククラブ・レイクコース(米カリフォルニア州)◇6457ヤード・パー71>
笹生優花の「全米女子オープン」優勝を間近で見た父・正和さんの目からは、涙が止まらなかった。8歳でプロを目指すとした優花を11年間支え、指導し続けてきた正和さん。「子供の夢を叶えさせるのが目的だったから…、やっとできた」と涙を流しながら報道陣に答えた。
「勝ててよかったです。こんなに早く勝ててね」。19歳、大会史上最年少優勝記録に並ぶ偉業。「2番、3番でダブルボギーだからきょうはダメだと思った。レキシーが落としたから、運よく勝てた」。運も実力のうち。晴れやかな娘の姿がこれまでの苦労を思い起こさせた。
ジュニア時代から世界を飛び回り、数々のタイトルを獲得。2018年のアジア大会では金メダルも獲得。そんな戦いのそばで、いつも横にいたのが正和さんだった。「8歳でプロになりたいって。いろんなことがいっぱいあって、ありすぎちゃって…」。世界一の称号を手にした娘が、心から誇らしい。
米ツアーを目標に予選会に出場した19年には失敗。そこで日本ツアーに参戦し、ルーキーイヤーの昨夏には初優勝から2連勝。力を着実につけていた。「本人はずっとアメリカでやりたいと言っているから、QT受けなくてすんだ」。一気にジャンプアップを果たし、喜びもひとしおだ。
「あんまりモノを欲しいと言わないタイプ。あのカップが一番欲しかった」
家族とともに勝ち取ったメジャータイトル。孝行娘・優花と父の物語はひとまず最高の形で第1章を終えた。
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