【兀兀】って読める?読めない!「読みたい漢字ファイル」vol.4
その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。
今回は、同じ漢字を二つ使った熟語がお題。まずはこちらから。
こんなのですけど顔文字じゃないんですよね。
ギリシャ文字の「π」に似ていますが、もちろん「円周率」でもありません。
想像してもちょっとお手上げです。漢字的には簡単なのに、なぜ!

それにしても、日本人が日常使う漢字の数は2000〜3000と言われていますが、本当に私たち、よく頑張りましたよね。
小学校だけで約1000の漢字を習うそうです。いま不自由なくネットの記事が読めるのも、毎日兀兀と書き取りをしてきた成果でしょう。

あれ?なんかいま使っちゃいましたね「兀兀」。
さあ、もう分かりましたね?
正解は…

【兀兀=こつこつ】です。
この漢字、あまり見たことがないかもしれませんが、漢和辞典には詳細が書かれています。「兀」一字だと、高い場所で上が平らな状態や、髪を剃った頭などを表す漢字だそうです。
音読みはコツ、ゴツ。元々は禅宗の「兀兀地」(こつこつじ)という、座禅(ざぜん)をすることを指した漢字だそうです。
座禅をしているとき雑事に惑わされず、ただひたすらに心を落ち着ける様を指す言葉が、年月を経て、ひとつのことに地道に努力する姿を表すようになったようです。
では、二問目です。

こちらも同じ漢字が二つ。双子漢字シリーズです。
同じ読み方の繰り返しですが、意味を先に言ってしまいましょう。
「けっして」や「少しも」という言葉に置き換えられる言葉ですが、普段の会話ではあまり使いません。
聞いたことがあるとすれば、時代劇でしょうか? 例えば「そなた、努努、命を無駄になさるな」なんてセリフ、ハマりますねぇ。

ちなみにこの問題、福岡県にお住まいの皆さんには簡単すぎますよね、きっと。
「決して温めないでください… 努努疑うことなかれ」というフレーズでおなじみのご当地グルメ、冷たいままでいただく唐揚げ「努努鶏」という名物があるそうです。なんと文学的なネーミング!
では、正解を。

【努努=ゆめゆめ】でした。
でもせっかく「夢=ゆめ」と読む漢字があるのに、なぜそれを使わなかったのでしょう。
「努努」の書物での登場は古く、源氏物語の中でも「努努漏らし給ふなよ」(絶対誰にも言わないでよ!)などと書かれているそうです。この場合だと「努努」には「努めて内緒にしろよ」という、努力の意味が込められていて、「夢」とは無関係なことがわかりますね。
「努」という漢字自体は小学校4年生で習う、そう難しくない漢字ですが、学校では習った記憶がありません。小4の子どもたちだって、このような読み方があるなんて、努努思いますまい。
それではまた次回をお楽しみに…
文/伊波裕子
*「読みたい漢字ファイル」シリーズをチェック!
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