「あつまれ どうぶつの森」でリセットさん失業。自動セーブ機能のため
任天堂の「どうぶつの森」シリーズで、ゲーム専用機向けの本編で皆勤を続けていた名物キャラの「リセットさん」。しかし2020年3月20日発売予定のNintendo Switch向け最新作「あつまれ どうぶつの森」では職を失うことが明らかとなりました。海外テックメディアMashableが世界最大ゲーム見本市E3 2019にて、本作開発チームの京極あや氏にインタビューを実施。そのインタビューのなかで京極氏は、リセットさんが新たな自動セーブ機能のために職を失ったと正式に発表しました。

リセットさんは「どうぶつの森」シリーズでゲームをセーブせずに終了(リセット)すると次回プレイ時に現れ、長々とした、いや有り難い説教をしてくださるモグラのキャラクターです。



ふだんはリセット監視センターに勤めており、リセットを検知すると風呂に入っていても食事中でも洗濯中でも、プレイヤーの押し間違えであれバッテリー切れであれ駆けつけてくれました。

京極氏によれば「これはプレイヤーにとっては前向きな変更になると思います。『あつまれ』ではゲームの途中で中断でき、その状態をセーブできます」「でも残念ながら、ゲームをリセットしたりリセットボタンを押したりする必要がないため、リセットさんには辛いことになりました。彼はクビになりました」とのことです。

京極氏は続けて「私たちはリセットさんがレイオフされた後、新しい仕事を探していると信じています。楽しみにしてください」とも語っており、リセット行為を叱る使命はお払い箱になるものの、転職する可能性を示唆しているのかもしれません。

実は2012年発売のニンテンドー3DS用「とびだせ どうぶつの森」で、リセットさんがクビになる兆候はすでにありました。リセット監視センターが事業仕分けされ、公共事業でリセット監視センターを建てなければリセットさんにお説教をされることもありません。もちろん、リセット監視センターを設置すればリセットさんは復職し、なぜリセットしたかこちらの言い分が言えるように。「身に覚えがない」と答えれば逆に謝罪される聞き分けの良さとなっていました。

なぜこんな境遇になってしまったかというと、当時の「社長が訊く」によれば「小さな女の子が怖がっているみたいですね。泣いてしまうお子さんもいると聞いたことがあります」とのこと。そこで、わざわざ叱られたいユーザーのニーズを満たすために、センター再建を村長(プレイヤー)の判断に委ねたとされています。

しかしながら、自動セーブ機能が実装されてしまうと「リセットで叱ってもらえる」ことが論理的に不可能になったわけです。発売まであと9か月ほどありますが、開発チームには「転職活動疲れで腰が低くなったリセットさん」を見ずに済むような努力を望みたいところです。