先月末、国税庁が発表した調査結果によると、民間企業で働く正社員の昨年の平均給与は503万円5000円だった。一方、非正規社員の平均は179万円。正社員と非正規社員の給与額に約320万円の開きがあり、格差社会が浮き彫りになった。

ただ、正社員間でも大きな格差がありそうだ。ガールズちゃんねるに9月末、「手取り15万円以下の人」というトピックが立った。現在アラフォーのトピ主は、都内のメーカーに12年勤務しており役職もあるという。ただ、手取りはわずか14万円で「何も贅沢出来ない生活。日本終わってますよね?」と辛い胸中を綴った。(文:石川祐介)

「田舎は採用があってもコネだし、コネがない人は無理」


トピ内には、「日本に『死ね』と言われているみたいで切ないです」と共感するコメントが相次ぎ、「会社に内緒で週末居酒屋でバイトしてる。もう30歳なのに何やってるんだか」と現状の辛さを吐露する人もいた。

「公務員試験に挑んだけど倍率40倍の壁と数的推理ができなくて撃沈」
「もう都会に行って転職しようか迷ってる。田舎は採用があってもコネだし、コネがない人は無理」

転職しなかったトピ主にも落ち度があると批難する声もあったが、転職活動の難しさを指摘する声も寄せられた。いくら酷い会社に勤務しているからといって、簡単に今よりマシな会社が見つかるわけではない。

「転職しようと思ってますが上手くいく気がしない。自分に自信が持てない」

ブラック企業に勤務した結果、自信を奪われて転職する気力さえ失せてしまうという人も少なくない。劣悪な企業で働く人の中には、「この会社はおかしい」と気付いても、逃げようとする自信や体力が無い人も多い。

「日本って貧乏になってきてるんだな」

「東南アジアの国を『発展途上国だ』って馬鹿にしてる人は多いけど、もはや日本も発展途上国の仲間入りしてるんじゃないかと時々思う」
「お隣の国が日本へ爆買いしに遊びに来てるよね。日本って貧乏になってきてるんだな」

日本は先進国と考えられてきたが、その面影は見えなくなっている。政府はインバウンド需要の増加を喜んでいるが、それは日本という国が素晴らしいからではなく、かつて日本人が「物価が安いから」という理由で東南アジアに旅行に行っていたのと同じ感覚で、日本に来る外国人観光客が増えているだけとも思えてしまう。

日本に住む人が「日本に住んで良かった」と思える国づくりを本格的に着手しなければいけない局面に来ているだろう。