By Jeremy Brooks

光ファイバーではなく、電話回線を使って高速なデジタル通信を実現するxDSLは、既存の電話回線を使うため非常に安価に導入できるメリットがある一方で、電気信号の劣化が大きいため、距離などの要素によって通信速度の品質が大きく左右されるという問題と、光ファイバーには圧倒的に及ばない通信速度の限界がデメリットとしてありました。しかし、xDSL回線で10Gbpsという驚異的な通信速度が実証実験でたたき出されました。

Alcatel-Lucent sets new world record broadband speed of 10 Gbps for transmission of data over traditional copper telephone lines | Alcatel-Lucent

http://www.alcatel-lucent.com/press/2014/alcatel-lucent-sets-new-world-record-broadband-speed-10-gbps-transmission-data-over-traditional

ベル研究所は、銅でできた既存の電話回線を使って10Gbpsの超高速通信に成功したと発表しました。電話回線を用いた高速通信規格としては、2015年に商用利用が始まると期待されている「G.fast」があり、G.fastでは100メートルの距離で最大700Mbpsの高速通信が可能となりますが、ベル研究所が今回用いたのは、「XG-FAST」と呼ばれるG.fastとは別の技術で、70メートルの距離で上り・下りとも1Gpsを実現、回線を2本束ねるbonding技術を使うことで30メートルの距離で上り・下りとも10Gbpsの超高速通信を実現したとのこと。



ベル研究所のマーカス・ウェルドン所長は、「我々の研究目的は、既存の電話回線の通信速度の限界を押し上げるべく、現在の10倍の速度を実現するブレークスルーを開発することでした。今回の10Gbpsという実証実験の成果はまさしく限界の拡張であり、既存の電話回線を用いてより安くかつより広い範囲でギガビット通信サービスの実現を後押しするものです」と述べています。



By Province of British Columbia

10Gbpsと言えばUSB3.1でのデータ転送速度と同じなので、今回の実証実験のデータ転送速度がどれほど高速かがよく分かります。研究がさらに進むことで通信距離の制限をはねのけ、光ファイバーの陰に隠れた感のあるADSLなどの電話回線を使った低価格ブロードバンド通信が再び日の目を見ることになるのか、期待したいところです。