子どもを入学させたい大学ランキング

写真拡大

----------

調査概要/gooリサーチと共同でインターネットを通じて調査を実施。子どもを持つ男女2000人から回答を得た。調査期間は11年8月17〜20日。

----------

■年収は聞きづらい、学歴なら大丈夫

「相手の年収はなかなか聞けませんけど、学歴って話の流れをうまく持っていけば、必ず聞けますよね」

と、知り合いの子どもの学歴について必ず探りを入れるというSさん(58歳・専業主婦)。「私の妹の息子は大学行かなかった。お隣の家のお子さんの大学は東大。うちですか、うちは慶應大学です……」。

結局自慢がしたかったのか。ママたちの井戸端会議や電話での会話は、他人の子どもの噂話で盛り沢山。Sさん自身もかつては強烈な教育ママであり、子どもの学歴にコダワリを持ってきた。現在では3浪して念願の慶應大学商学部に入学した息子も就職し、悠々自適な趣味生活をエンジョイしている。しかし、現在でも誰かに会うたびに学歴をさりげなく聞きだし、熱心にチェックする学歴マニアである。

「まず大学生時代の話を振るんです。それはサークルでも部活でもいいのです。そうやって思い出を語らせていくうちに、自然な流れとして大学の所在地の話となります。そして結局は大学名を知ることができます。年収は、相手の年齢と会社名からわかる人にはわかるのかもしれませんが、難しい。別に聞いたから得するということではないのですが、なぜか気になるのです」

個人の年収は一般的に秘密にされがちだ。一方、年収と比べて学歴はオープンにしていい雰囲気がある。だからこそ、多くの子どもを持つ親は学歴に対して並々ならぬ執着心を発揮するのだろう。たとえば、前述の学歴マニアのSさんのようなケースでは日常の会話から話し相手の夫や子どもの学歴を探りあてて、勝手に心の中で悦に入ったり、嫉妬心を燃やしていたりする。

また、親自身が自分と子どもの出来を比較するための客観的な指標として学歴を利用することも一般的だ。親にとって子どもの学歴とは、自分自身の子育てに対する客観的評価なのかもしれない。反対に、子どもにとっては、高学歴を期待する親からの圧力は自己の存在を否定されかねない重圧となってのし掛かってくる。

では、親の最終学歴によって子どもに求める最終学歴には違いがあるのだろうか。子どものいる男女2000人に調査を実施した。

大学院・東一早慶など偏差値64以上の大学卒の親(A層)は、自分自身と同じレベルの大学への進学を子どもに求める傾向があった。また「日本の大学では、本当の学問が学べないと思う」など、日本の大学自体を否定してハーバード大学などの海外の学歴を求める傾向も他の層よりも強い。

MARCHなど偏差値64未満〜55以上の大学卒の親(B層)は、自分の卒業した大学よりもワンランク上の大学狙いだ。理由として「自分が行けなかったから」などの憧れを感じている人が多い。特に早稲田大学の人気が高いことが特徴的で、私立大学の雄として高く評価していることがわかる。

MARCH未満などの偏差値55未満の大学卒の親(C層)は、上位大学はA層とB層と同じだが、それ以下では地方国立大学と私立大学の比率が半々程度である。「身内の出身校」であるなど情緒的なつながりを感じさせるコメントが多い。

短大・専門学校以下の学歴を持つ親(D層)の場合は、やはり上位にはAからC層までと同じ大学が並ぶが他層と比べて地方国立大学志向が強い傾向がある。志望理由は「近くだから」「安いから」という回答が多い。また、「よくわからない」という回答者も他層と比べて割合が高かった。「大学進学」そのものへの意識が低い可能性がある。

なお、「子どもの学歴が『出世、収入、成功』に影響するか」という質問に対して、「大きく影響する」「少しは影響する」と回答した人が全体の約80%も存在しており、子どもを持つ親の学歴に対する信仰心の強さを読み取ることができる。具体的なコメントとして「まず学歴がないと一流企業に入れないから」「学歴によって、ビジネスマンとしてのポテンシャルがある程度予想できるから」と指摘があった。

しかし、実際には現代社会における学歴信仰への揺らぎは確かに始まっているようだ。大学を中退し、ベンチャー企業勤務後、独立して社長生活をエンジョイしているNさん。20代前半の若さでありながら、彼女とのデートにリッツ・カールトンのスウィートルームは定番だ。Nさんは自信たっぷりに語る。「学歴は自分には意味がないです。たぶん学歴は『負け犬』にとっての最後の心の拠り所ではないのですか。ちょっとかわいそうです」。

(飯島 豊=文)