番組内で中国人を侮辱する発言があったとして、米国の中華系住民の間でABCテレビに抗議する動きが広がっている。この騒動について中国のブロガー、楊恒均氏が10日、「『中国人を皆殺し』発言に見る、米国の民族差別」と題したエントリーを公開した。(イメージ写真提供:123RF)

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 番組内で中国人を侮辱する発言があったとして、米国の中華系住民の間でABCテレビに抗議する動きが広がっている。

 10月に放送された深夜のトーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」内の子ども討論会で「米国の中国に対する莫大な債務問題をどう解決するか」との質問に対し、白人の子どもが「中国人を皆殺しにすればいい」と回答、これに司会のジミー・キンメル氏が「面白いアイディアだ」と応じたことが原因だ。

 これまでに現地の中華系団体がABC前での抗議活動を繰り返し、主催者側によると11月9日にはニューヨークやワシントンなど全米26都市でデモが行われた。キンメル氏本人はすでにデモ参加者らに直接謝罪し、同番組内で子ども討論会は二度と放送しないと約束。しかし中華系住民らの怒りは収まらず、ABCに対して正式な謝罪と、キンメル氏の番組出演を取りやめることを求めているという。

 この騒動について中国のブロガー、楊恒均氏が10日、「『中国人を皆殺し』発言に見る、米国の民族差別」と題したエントリーを公開した。楊氏は40代の男性で、コンサルティング業をしており、仕事のため米国に住んだことがあるという。文章の一部を切り取ってみる。

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 米国のトークショーは面白い。白人や大統領も風刺の対象となり、中国人についても同様だ。番組内で子どもが「中国人を皆殺しに」と言ったこと自体はたいしたことではない。中国のネット上にも「日本人を殺せ」といった言葉が多くみられるほどだ。しかしABCは世界的なテレビ局であり、こうした民族差別発言が流れることは非常に不適切だと言える。

 中華系住民が自分たちの利益を守り、力を見せつけるために立ち上がることは必要だろう。抗議デモのニュースが中国に伝わると、一部の人々から「中国は強くなった。米国で中国人への迫害をやめさせ、地位を向上させるため、中国外務省が介入するべきだ」との極端な意見も出てきた。しかし、やりすぎは禁物。「中国が強くなった」ことと、「在米中華系住民の地位向上」との間には関係がないのだ。中華系住民は民主的な制度を利用して自らの地位を引き上げていくことができる。

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 中国は今も一党体制であり、「権力」は絶対的だ。その分、民衆の間の「虐げられている」という感覚も強い。現状を改善しようとする手段は陳情や抗議行動であり、「民主的な制度」による改善への道は遠い。最近大きく報じられた天安門の自動車突入事件も、山西省の連続爆発事件も、当局への不満を訴える手段だったのだろう。そこまでの代償がなければ現状を変えるべく訴える手段がない中国人が、米国の民族差別と大いに闘おうという心情は分かるが、過度に自虐的な意識ではほかの民族に笑われるだけだ。(編集担当:古川弥生)(イメージ写真提供:123RF)