「SNSで“当たり屋”を繰り返していた」 旭川女子高生殺害「内田梨瑚」被告の“余罪”と家庭環境 【被告人質問が開始】
北海道旭川市で2024年4月、留萌市在住の女子高校生(当時17)がつり橋から落下、死亡した事件。それから2年経った現在、殺人や不同意わいせつ致死、監禁の罪で起訴された、内田梨瑚(りこ)被告(23)の裁判員裁判が、旭川地裁で行われている。
公判では、被害女子高生が落下した際の「実行行為」について、検察側と弁護側の主張は真っ向から対立している。内田被告が被害者を欄干に座らせ、「落ちろ」「死ねや」と脅し、「有形力を行使して」実質的に落下させたとする検察側に対し、弁護側は、被告は被害者を橋の上に置いて立ち去っただけと主張。「殺人罪」の成立を否定している。
5月29日からは、内田被告の被告人質問が始まる予定で、そこでの発言が注目されるのだ。

もっとも、どちらの主張が認められるかは別にして、内田被告が女子高生の死に深く関与し、その責任が重大極まりないものであることは疑いない。被告は面識のない女子高生に因縁をつけ、大金を要求し、車に乗せて監禁。服を脱がせて土下座で謝罪させ、その様子を動画撮影し、橋の欄干に座らせ、最終的に死に至らしめたのだ。
被告はどのように育ち、なぜ残忍な犯行に及んだのか。女子高生に行った非道な行為の詳細とは。逮捕当時の「週刊新潮」記事を再録し、被告の転落の軌跡を追ってみよう。
(「週刊新潮」2024年6月27日号記事を一部編集の上、再録しました。文中の年齢、肩書等は当時のままです)
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【写真を見る】カメラに向かって中指を立て…チンピラ風な顔つきの内田被告
共に無職
SNSの投稿がトラブルにつながる例は少なくない。だが北海道留萌市の高校生、A子さん(17)が殺害された事件の容疑者は、因縁をつけること自体が目的だった。要は“当たり屋”のようなものである。
今月12日、A子さんを殺害したとして北海道警が逮捕したのは、内田梨瑚(りこ)容疑者(21)と、小西優花容疑者(19)だった。両容疑者はともに旭川市在住、無職だ。
道警担当記者によれば、
「両容疑者は、今年4月19日の午前3時半から4時ごろにかけて、旭川市にある渓谷『神居古潭(かむいこたん)』の神居大橋からA子さんを11メートル下の石狩川に落とし、溺死させたとされます」
今回が初めてではなかったSNSでの因縁
A子さんとは、犯行直前に初めて対面している。
「前日の18日、A子さんのSNSに自身の写った画像が無断転載されていることを知った内田は、SNSの通話機能などでA子さんを脅しました。解決金として電子マネー10万円分を送金させようとしたものの受け取れず、留萌市の道の駅に呼び出したのです」
内田容疑者はこのとき、小西容疑者と、知人の少年と少女の二人(16)に手伝わせ、A子さんを車に監禁。
「60キロほど離れた旭川市まで連れてきた。道中寄ったコンビニで逃げようとしたA子さんに暴行を加えてもいる。挙げ句、夜中は人も車も通らない神居大橋で命を奪ったわけです」
残酷極まりない犯行を主導したとされる内田容疑者。実は、そのきっかけとなった他人のSNSへの因縁は、今回が初めてではなかった。
さんろく街
内田容疑者を知る女性が明かす。
「梨瑚はいつも金欠で、複数の知り合いから数万円、十数万円単位の借金をしていました。無職なのに、旭川の繁華街『さんろく街』で飲み歩いていましたから。返済をめぐっては、何件かトラブルにもなってた。その解決と自分の稼ぎのため、梨瑚はSNSの投稿内容をもとにして恐喝を繰り返していました」
手口はA子さんのケースとほぼ同じで、
「知人やその知り合いのSNSの内容に、“言葉の使い方に気を付けろ”といった難癖をつける。で、“許してほしければ現金をよこせ”と呼び出すのです。彼女が恐喝でいくら手に入れたかは分かりませんが、お金を貸したままの人は何人もいます」
次第にさんろく街に染まり…
別の知人もこう語る。
「梨瑚は中学時代にはバスケ部で頑張ってたし、高校を出たあとも化粧品販売やお父さんの会社、飲食店などと転々としたけれど、仕事をしようとしてはいた。ですが次第にさんろく街に染まり、ワルになった。地元のガラの悪い男たちとも近しくなり、小西を“舎弟”と呼んでいたように、年下の子ばかりを連れ歩くようになったのです」
内田容疑者の自宅は旭川駅から車で15分ほどの住宅街にある一軒家。両親と20代半ばの兄との4人暮らしだ。父親は建設関係の会社を営み、母親は飲食店勤務。冬のあいだ、父親と父親の会社に勤める兄は、雪のない地域へと仕事に出かけることが多い。
内田容疑者がSNSで当たり屋稼業をしていたことを、A子さんのご遺族が知ったら……。その無念は察するに余りある。
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冒頭に記したように、公判で内田被告側は殺意と実行行為を否認している。もっとも、27日に出廷した共犯者の小西は「内田被告が被害者の背中を押し、落下した」旨を証言。小西については既に殺人罪などで懲役23年の刑が確定しているから、内田被告の弁明がそのまま通るかは疑わしい。
法廷では被害者の「謝罪動画」も流されたが、内田被告は表情を変えなかったという。
被告人質問は6月4日まで続き、8日に結審。6月22日に判決が言い渡される予定。裁判所の判断が注目される。
デイリー新潮編集部
