ドジャースタジアムは大盛況(写真はすべて山内猛氏)

写真拡大

 今季もメジャーリーグで日本人選手の活躍が続いている。中でもホワイトソックスの村上宗隆(26)は、メジャートップの17本塁打(20日時点)と、大活躍を見せている。その雄姿を見ようと、日本から多くのファンが足を運んでいるが、その熱狂ぶりはいかがなものか――おなじみ、「リングサイドの“必撮”仕事人」の異名と、『プロレスラー 至近距離で撮り続けた50年』(新潮社)の著作を持つ、元内外タイムス写真部長・山内猛氏(71)が現地の様子を伝えてくれた。

【写真15枚】「危な〜い!」敵にファールを注意する試合中の大谷翔平、大活躍の村上宗隆…そして第1期長嶋巨人を支えた初の外国人投手

村上は絶好調

 まず山内氏が訪れたのは5月4〜5日(現地時間、以下同)、アナハイムのエンゼル・スタジアムで行われたエンゼルス対ホワイトソックス戦である。

ドジャースタジアムは大盛況(写真はすべて山内猛氏)

「一緒に行った妻がヤクルトファンなので、村上の活躍を見に行くことにしたのですが、見事、4日の試合で2回に14号2ランを放ってくれました。この日はビジターで、黒のユニフォームだったのですが、ヤクルト時代に比べて精悍になったというか、引き締まった印象でした。三振の多さは変わりませんが、事前の評判を覆す活躍ぶりに、村上目当ての多くの日本人ファンが詰めかけていました」

 その試合前、スタンド席から見ていて気になる光景があった。試合前練習をする村上に、日本人ファンがサインを求めているのだ。それもグラウンドに降りて、である。急いで調べると、エンゼル・スタジアムが行っている「VIPプレゲームツアー」であることが分かった。定員は10名、入場料の他に日本円で3万円弱の参加料を支払うと、スタジアム内を1周して(監督室や選手のベンチはいかない)、グラウンドに降りて選手の練習を間近に見ることができるという。エンゼルス主催のイベントだが、対戦相手はホワイトソックス。村上を目の前で見られると、日本人ファンがたくさんいたわけだ。

「早速、翌日のツアーを申し込んで当選しました。当日は3時に集合して5時半に終了するのですが、グラウンドに降りたのは4時過ぎ。妻はヤクルト時代の村上のユニフォームを手に、本人にサインをもらおうと思っていました。ただ、しばらくすると村上の専属通訳の八木賢造さんがグラウンドに降りてきて、前日のホームランもあって取材にかけつけた日本のメディア関係者と話しているので聞き耳をたてると、今日は試合前の練習は休みだと……(笑)」

 ガッカリしかけた山内氏だが、案内役の女性がその時グラウンドにいた、エンゼルスの大物OBを紹介してくれた。

「私が日本人で、相当の年齢だったこともあるのかもしれませんが、“あの人は巨人にいたクライド・ライトさんですよ”と教えてくれたんです。83歳になっていましたが、すぐに分かりましたよ」

 投手だったライト氏は、巨人の投手として最初のメジャーリーガーとして76年に来日、78年途中に帰国するまでに59試合に登板し、22勝18敗。長嶋茂雄氏の第一次政権でのリーグ連覇(76〜77年)にも貢献した。判定をめぐって審判にくってかかったり、降板指示に激高してユニフォームを破ったり、取材する記者にも激しく絡む気性の荒さで「クレイジー・ライト」の異名で知られた。

「現在はすっかり穏やかになっていました。エンゼルスの大物OBですから、こうしたイベントにも顔を出して、気さくにファン対応しています。“後楽園球場で活躍する貴方を応援していました”と伝えると、本当に嬉しそうでした」

ドジャースタジアムの厳しさ

 次に山内氏が向かったのが、ロサンゼルスのドジャースタジアム。5月8〜10日のブレーブス戦と、11〜12日のジャイアンツ戦を観戦した。大谷翔平(31)のバットは湿りがちで、チームの調子も今一つの時期である。2025年8月25日配信記事でも山内氏がレポートしてくれているが、メジャーリーグ観戦には縦30センチ、横30センチ、幅15センチの全透明のバッグを持参し、その中に荷物を全部入れなければ入れない。

「ドジャースタジアムの厳しさは相変わらずです。特に、日本人ファンに多く、“大谷ガンバレ!”とか“山本最高!”など、自作のボードを持参するファンがいるのですが、客席への持ち込みは不可です。後ろの客が見えにくい、という理由もあるのでしょう。ただ、エンゼル・スタジアムでは村上の応援にヤクルト時代のビニール傘を持ち込んでも大丈夫だし、自作ボードもOKでした。球場によってかなり違いがあるようですが、特にドジャースタジアムは厳しいですね」

 苦労して作ったと思われるボードを、入場ゲートで持ち込み禁止と告げられる日本人の子どもを見かけたという。また、日本人ならよく思いつくが、透明のバッグの中に、折りたたんだエコバッグを入れておいて、中でそれを有効活用しよう……これも入場の段階でNGとなる。何かを入れるにはすべて透明のバッグでなければならない(没収ではなく、試合中はロッカーに預けることになる)。

 また、これも前回配信で紹介したが、宿泊するホテルからドジャースタジアムまでを往復する8〜10人乗りのオープンカータイプのシャトルバス。天井がないため開放感があり、景色もよく見えるので快適だった。

「日本人を中心に訪れる人が多いせいか、ホテルとスタジアムを結ぶバスはどれも大型になりました。割安なので利用する日本人は多いのですが、気を付けないといけないのは、試合終了後、どこで何分まで待っていてくれるのか、事前に確認しておくこと。日本語を話せるドライバーはほとんどいませんから、こちらから英語で話かけ、きちんと確認をとっておくことが大切です」

 英語に自信がないという方には、料金はかかるものの、スタジアムまでの送り迎えまですべてパッケージングされたツアーで参加するのが無難なようだ。

貴重な1枚

 今回紹介する写真の中で、これはと思うショットを説明してもらおう。

「日本のテレビや新聞であまり報じられないショットを狙いました。大谷はベンチではデーブ・ロバーツ監督(54)の横にいることが多い。かつて、野村克也監督のそばには古田敦也氏(60)がいたようです。また、ファールを打つと必ず打球の先に向かって『アーッ』と叫んで注意喚起をする。ドジャースタジアムは、ビジターが1塁側です。左バッターの大谷の打球は1塁側へ行くことが多いのですが。ファールと分かると気をつけて! と自ら注意を促すんです。その瞬間も撮ってみました。あと、5月10日の母の日は、選手の妻子が招待され、試合前に始球式が行われました。大谷の妻、真美子さん(29)は……残念ながら、欠席でした」

 そして佐々木朗希(24)である。18日のエンゼルス戦で、今季8度目の登板で2勝目を挙げたが、山内氏が観戦した11日のジャイアンツ戦は5回6安打3失点、試合も3−9で負けた。

「翌日の同カードでは、山本由伸(27)が先発しました。残念ながら5失点で3敗目となりましたが、大谷が第2打席で、12試合ぶりとなる7号ホームランを打ってくれました。私を含め、詰めかけた日本人ファンには嬉しい試合でしたよ」

 大谷フィーバーは止まらないようだ。

デイリー新潮編集部