「NISAは暴落したら終わり」と“現金1000万円”を銀行に預ける両親…長期運用なら「元本割れリスクなし」で安全ですよね?「年利3%×20年」運用の場合で比較

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「NISAは暴落したら終わり」「投資は怖いから現金のままでいい」と考え、まとまった資金を銀行口座に置いたままにしている人は少なくありません。しかし、インフレが続く局面では、現金預金の額面は守られても、実質的な資産価値が目減りするリスクがあります。   本記事では、銀行預金として放置された1000万円が、2%のインフレが20年続いた場合に実質いくらまで目減りするのかを解説します。加えて、同じ1000万円を年3%で運用した場合との差額がどの程度生まれるのか、具体的な数値で比較していきます。

昨今の日本はインフレが継続している

2022年以降、日本では物価上昇が続いており、インフレが家計や資産形成を考えるうえで無視できない要素になっています。
総務省が公表している消費者物価指数では、2020年を基準に2026年3月時点の物価は約12.7%上昇しており、2022年以降は毎年2~3%台の上昇が続いています。また、生鮮食品を除くコアCPIも2025年度は前年度比プラス2.7%で推移し、物価安定目標である2%を超える状況です。
背景には円安による輸入物価の上昇、エネルギー価格の高止まり、賃金上昇などがあり、構造的なインフレが定着しつつあるといえるでしょう。今後の物価動向は不確実ではあるものの、日銀が2%の物価安定目標を掲げていることから、2026年度以降も2%前後のインフレを前提に考える必要があるといえます。

2%のインフレが20年継続すると1000万円は実質いくらになる?

年2%のインフレが20年継続すると、現在の1000万円の実質的な価値は約672万円相当まで目減りしてしまいます。例えば、20年間の累積物価上昇率は約1.486倍となり、今1000万円で買える商品やサービスは20年後に約1486万円必要になる計算です。
預金通帳の数字は1000万円のまま変わらなくても、購買力は3割強も失われる計算になるわけです。さらに円安が同時に進行すれば、輸入品やエネルギー価格がより大きく上昇し、実質価値はいっそう下落するでしょう。
日銀が2%の物価安定目標を掲げていることを踏まえれば、年2%前後の試算は決して悲観シナリオではなく、現実的な想定といえるでしょう。

年3%で20年資産運用した場合とインフレを加味して運用結果を比較

1000万円を年3%で20年間複利運用した場合、最終金額は約1806万円となります。元本の1000万円に対して約806万円も増える計算となり、銀行預金ではまず得られない資産成長が期待できるでしょう。
ただし、2%のインフレを加味した実質的な価値は約1215万円相当となり、額面より減少する点もあわせて理解しておく必要があります。一方、銀行に1000万円を眠らせた場合の実質価値は約672万円相当ですから、運用との差は実質で約543万円にも達する計算です。
また、現金志向の人が懸念する暴落リスクについても、20年という長期運用ではかなり平準化される事実が金融庁のデータで示されています。国内外の株式・債券に積立・分散投資した場合、5年保有では元本割れするケースもあります。
一方、20年保有の場合は運用成績が年率2~8%の範囲に収束し、過去データ上では元本割れが一度もなかった点にも注目すべきでしょう。

まとめ

日本はすでにインフレ時代に突入しており、銀行預金を眠らせておくだけでは資産価値が目減りしていくことが予想されます。例えば、年2%のインフレが20年続くと、1000万円の実質的な購買力は約672万円相当まで減少してしまう計算です。
一方、同じ1000万円を年3%で20年間運用した場合、額面は約1806万円、インフレ調整後でも約1215万円相当の価値が残ります。暴落を恐れて投資を避け続ける姿勢は、むしろ長期的な資産目減りという大きなリスクに直結しているといえるでしょう。
 

出典

総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年(令和8年)3月分(2026年4月24日公表)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー