岐路に立つローカルスーパー「“自前の生鮮総菜”でこだわりをアピール」地域根差す商品開発《長崎》
創業60年以上、県内を中心に42店舗を運営するスーパーマーケット。
“地域に根差した” 商品開発の取り組みとは…。
【NIB news every. 2026年4月10日放送より】
◆地元の素材をいかして作る “自前の生鮮総菜”
長崎と佐賀の両県で、42店舗を展開するスーパーマーケット「エレナ」。
魚や野菜など、生鮮食品の多くが県内産です。
特に2年前から注力しているのが、地元の素材をいかして作る “自前の生鮮総菜” です。
(買い物客)
「からあげとエビフライが好き」
(買い物客)
「ワンコインくらいで、これだけしっかり必要なものだけ入っている。無駄なものが入っていなくて、すごく助かっている」
生鮮総菜は、佐々町と長崎市の小江原、深堀の3店舗で販売していて、今年開かれた「お弁当・お惣菜大賞」に初めて出品。
約1万5000点から「季節のモチモチおこわ(鮭・さつま芋)」が、丼部門で優秀賞に選ばれました。
さらに「長崎県産づくしの太麺皿うどん」も麺部門で入選するなど、こだわりの生鮮総菜は高く評価されています。
(買い物客)
「モチモチの感じが(好き)。週に1回(食べる)」
◆岐路に立たされている「地方のスーパー」
エレナは、1959年「中村食品ストアー」として佐世保市金比良町に1号店をオープン。
本部を大塔店に移した1992年に、今の「エレナ」に店名を変更しました。
昨年度、エレナグループの売上高は 約613億円で好調を維持しています。
ただ 東京商工リサーチによりますと、2025年までの10年間で県内に本部を置くスーパーマーケットは7社が倒産。
ローカルスーパーは、岐路に立たされています。
厳しさを増すスーパー業界。
中村 義昭専務は、地場スーパーが減ることで地域の衰退につながるのではないかと、危機感を募らせます。
(中村 義昭専務)
「長崎県においても競争が激しくなっているのは事実。地場のスーパーマーケットが少なくなっていくと昔からあるような地域の味がだんだんなくなっていく。
お店がなくなっていくと地域が衰退していくので、地域のすごく重要とした施策を練っていくのが、地場スーパーの使命」
◆消費者のニーズを模索「思い切った商品の開発を」
生鮮総菜など、県産品のおいしさを知ってもらおうと隔週で行っているのが、新商品の開発に向けた戦略会議です。
(プレゼン)
「カッパ肉(牛の赤身)のカレーのサンプルを持ってきた。形態はソースが150g、肉を50g、計200gで進めている」
各部門の責任者が集まり、売れ筋の分析や新商品のアイデアまで、議論は多岐に渡ります。
(中村 義昭専務)
「うちで売ると決めた商品の時は、思い切った商品の開発をしていかないと」
消費者のニーズを、どうつかむか。
原材料費の高騰や他社との競争に直面する中、さまざまな企業とも協力してパンやスープなどのオリジナル商品を開発しています。
生鮮総菜を通して、エレナのこだわりを知ってもらおうと、試食会も隔週で実施。
商品開発担当の米重 美加さんは、味や見栄え、作りやすさを高めようと、試行錯誤を重ねています。
(商品開発 米重 美加さん)
「1回で商品は出来上がらないので、みんなの意見を聞いてみんなで作っているという感じがすごく楽しい」
この日の試食会に並んだのは、いりこだしを活かしたカツ丼など5品。
改良された点や気になったことなど参加した社員が本音をぶつけます。
(試食した人)
「もう少し、ダシ感が強めでもいいかも」
(試食した人)
「元々があんまり出汁感がなかったんだよ。(ダシの)きつい香りが強かったのを、今回のいりこだしで少し和らげようかって」
(試食した人)
「衣が厚くない?」
現場の率直な声と作り手の工夫が、地域に愛される味を生み出します。
◆つくる場面でも無駄をなくす… 食品ロスへの取り組み
SDGsが至上命題となる中、エレナが取り組むのが “食品ロスの削減” です。
(プロセスセンター精肉主任 眞崎 龍斗さん)
「エレナ全店で販売するお肉を、加工する場所になっております」
加工場は本社に併設。
これまでは脂肪分が多く、規格外となった肉は廃棄していましたが…。
(プロセスセンター精肉主任 眞崎 龍斗さん)
「こういったところを手で取って、袋に集めている」
約1年前から手作業で仕分け、食べられる部分を残すことで “食品ロス削減” につなげています。
この肉を活かした商品が「長崎県産豚肉・牛肉使用麻 婆豆腐の素」と「具だくさんふっくら本格 中華まん」。
ともに、人気商品となっています。
“地元食材の良さを感じてほしい”。
その思いで、新たな商品価値を生み出しています。
(中村 義昭専務)
「地元の地域の味、地域の食材というのを、もっともっと見つけて磨いて伝えていって、地域の人に喜んでもらって、エレナがあってよかったねと思われるような企業になれるよう、社員と一緒に成長していきたい」
厳しい競争が続く中、地元第一で歩みを続けるエレナ。
自慢の素材を活かした商品が、店と地域をつないでいます。
