韓国で労働節(メーデー)が63年ぶりにその名前を取り戻した。1963年に関連法律が制定され、5月1日が「勤労者の日」として定着したが、法改正により今年から法定公休日(祝日)に指定された。ただ休みの日が一日増えたと喜ぶには、あまりに多くの含意がある。国会立法調査処は「(労働節が)法定公休日になったということは、労働の価値を公式に認め、制度的に確認したという意味がある」とし、「プラットフォーム労働やフリーランスのような新しい形態の仕事が急速に拡散しているが、現行の法令はこうした変化を十分に反映できていないため、今後は『労働尊重』を基準に法を再構成する必要がある」と指摘した。

労働の価値を認め、尊重される社会を作るのは誰もが同意する大義だ。問題は方向性だ。労働市場の二重構造の緩和と脆弱階層の保護のために韓国政府がドライブをかける各種の労働政策が、労働者の保護だけに重点を置き、企業の負担と社会的な葛藤を増大させている。「黄色い封筒法(労働組合法改正案)」の場合、使用者の範囲と交渉対象が過度に広く曖昧なため、元請け企業は1年中交渉ばかりしなければならないほど産業現場は混乱に陥っている。

労働の硬直性を強化する法案も相次いで控えている。保険設計士やキャディなどの特殊雇用労働者、配達ライダーのようなプラットフォーム労働者など870万人を労働者と推定し、使用者に立証責任を課した「労働者推定制」が施行されれば、勤労基準法に基づき4大保険(雇用・労災・健康・国民年金)と退職金、週休手当、週52時間勤務制などが適用され、事業主の負担は急激に増えるしかない。政府と与党が速度を上げている定年延長も企業の肩を重くする。

一方で、本来の労働政策において雇用拡大のための戦略と柔軟性は消えた。潜在成長率が1%台に落ち込み低成長が固定化し、人工知能(AI)の導入などで若者層の就職難は深化しているが、若者層のための職業能力強化や雇用創出戦略は目につかない。硬直した雇用体系は新規採用の障害物だ。技術の発展と社会の変化に伴い登場する多様な働き口を法の枠組みの中で保護することも重要だが、雇用の柔軟性確保のための社会的公論化作業も並行して推進すべきだ。労働者保護だけに執着した政策は企業の足を引っ張り、雇用減少というブーメランとなって戻ってくるだけだ。