JRT四国放送

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地域に根ざした食文化を発信する文化庁の「100年フード」に、那賀町のとある和菓子が新たに認定されました。

地元のおばあちゃんが愛情を込めて作った、そのインパクトある名前の名物を取材してきました。

(宮下アナウンサー)
「那賀町にやってきました。ここに、昔から伝わる衝撃的な名前の和菓子があるということで、早速行ってきます」

(宮下アナウンサー)
「那賀町に物騒な名前のお菓子があるときいたのですが」

(地元の人)
「はんごろし」

(地元の人)
「ああ、はんごろしね」
「とっても美味しいです。みなごろしはダメですね、はんごろしです」

そう、今回文化庁が選ぶ100年フードに認定されたのは、その名も「はんごろし」。

なかなか物騒な名前ですが、一体その正体とは?

(宮下アナウンサー)
「この作業場で、はんごろしが作られているということで、何やら香ばしい香りが」

作業場では、長い棒を手に力を込めている女性がいました。

(宮下アナウンサー)
「すみません、今何しているのですか?」

(おばあちゃんグループ・ビーンズあい)
「はんごろしを作っています」

(宮下アナウンサー)
「はんごろし?」

「うるち米」と「もち米」のご飯をつぶしてこしあんを包み、きなこをまぶした、おはぎのことだったんです。

しかし、ほっこりする甘いおはぎが、なぜこのインパクト抜群の名前に。

(宮下アナウンサー)
「はんごろしという名前の由来は」

(おばあちゃんグループ・ビーンズあい)
「半分潰してあるので、はんごろしといいます」

米粒を半分だけ潰しているので、昔から「はんごろし」という名で呼ばれているそうです。

(宮下アナウンサー)
「全部お米を潰したら?」

(おばあちゃんグループ・ビーンズあい)
「みなごろしと言われています」

(宮下アナウンサー)
「あらま、おそろしい名前ですね」

(おばあちゃんグループ・ビーンズあい)
「どっちにしても怖い名前で」

作っているのは、平均年齢が70歳を超える、おばあちゃんグループ「ビーンズあい」。

もち米は、メンバーの田んぼでとれたもので、よもぎも自分たちで春に摘んだものを使っています、まさに手づくり。

那賀町相生地区では昔から、お祝いやお客を招いた時のご馳走として食べられてきました。

地元の直売所では、出荷後すぐに売り切れてしまう人気ぶり。

(客)
「はんごろしは名物やけんな」

そして、この「はんごろし」が文化庁が選ぶ100年フードに認定されました。

100年フードとは、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を継承していく取り組みです。

県内でこれまでに100年フードに認定されているのは、「鳴門わかめ料理」や「御所のたらいうどん」など。

今回で8つ目となりました。

(那賀町農業振興課・岡久譲二 課長)
「これを通じて、地域の方々がこれまでのように暮らしていく中で、地域の活性化を目指していきたい」

(宮下アナウンサー)
「出来立てのはんごろし、いただきます」

「とにかく柔らかい」
「外の粒々したお米の部分と、中のなめらかな舌触りのあんこがすごく合いますね」
「お米をはんごろしにしていることで、よりお米の甘さがダイレクトに感じられます」

(ビーンズあい・葛木ひで さん)
「すごくみんなと嬉しく思っています、これから責任もあることを痛感しております。一生懸命頑張っていきたいと思っております」

物騒な名前のおはぎは、その名前とは裏腹に、那賀町のおばあちゃんの愛とこだわりが詰まった、優しい味でした。

地元で親しまれてきた「はんごろし」。

次の100年も、県内外で愛されていくでしょう。