岩手“2つの山林火災”の被害拡大……「平成以降最大」と共通点も 専門家「約99%が人的要因」【#みんなのギモン】
岩手・大槌町の2つの地区で山林火災が発生し、200ha以上にわたって燃え広がりました。23日午後4時の時点では鎮圧に至っていません。なぜ被害が拡大したのでしょうか? 去年2月に岩手・大船渡市で起きた、大規模な山林火災との共通点もありました。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「この季節“山林火災”なぜ多い?」をテーマに解説します。
■焼けた範囲は合わせて約200haに

山粼誠アナウンサー
「現在も岩手・大槌町の山林火災は延焼が続いています。22日午後、大槌町で2つの山林火災が発生しました。小鎚地区では近くの住宅など7棟に延焼し、燃え広がりました」
「町によると23日になって、焼けた範囲は合わせて約200ha(小鎚地区の延焼が約23ha、吉里吉里地区は約178ha)まで広がり、ヘリコプターや地上の消防隊による消火活動が行われましたが、まだ鎮圧には至っていません」
鈴江奈々アナウンサー
「映像で煙の広がり方を見ても、かなり広がってきているのが分かります。これ以上延焼しないことが望まれますね」
■10キロ離れた別の地区でも発生
山粼アナウンサー
「火の勢いが早く収まることが求められます。22日午後1時50分ごろに通報があったのが小鎚地区です。午後4時半ごろには、同じ大槌町で約10キロ離れた吉里吉里地区でも山林火災が発生したという通報がありました」
「23日になって避難指示のエリアはさらに広がり、午後2時時点で大槌町内の1229世帯、2588人が対象となっています。22日夜でも200人以上の方が避難をされたということです」
森圭介アナウンサー
「4月下旬になりましたが、岩手県は朝晩冷えるでしょうから、避難されている方は本当に大変な思いをされていると思います」
■専門家「飛び火は考えづらい」

桐谷美玲キャスター
「同じ大槌町ということですが、2つの火災に関連はあるんですか?」
山粼アナウンサー
「山林火災に詳しい千葉大学の峠嘉哉准教授は『飛び火は考えづらい。2つは独立した火災だとみている』と話しています。約10キロの距離があるので、仮に飛び火の場合はこの2つだけでなく、その間でも火災が発生してもおかしくないといいます」
「飛び火ではなく別の出火原因があると考えられるということです。今回の出火原因はまだ分かりませんが、峠准教授の調査では、山林火災の約99%が人的要因によるものです」
「自然に発火するとしたら雷が原因だそうですが、ほとんど雷などの事例はないということです。人的要因とは、例えばたき火やタバコの不始末などといったものです」
森アナウンサー
「不注意や、もう消えたから大丈夫だろうという思い込みで、もしかすると誰かの暮らしや誰かの命が失われてしまうかもしれません。本当に注意しなきゃいけませんよね」
山粼アナウンサー
「火の始末を軽々にしない、火が消えたとしてももう一度確認するといったことが求められます」
■去年2月26日にも岩手で山林火災

山粼アナウンサー
「もう1つ気になる点があります。峠准教授が、去年岩手で起きた大規模な山林火災と気象条件が似ていると指摘している点です」
「消防庁の調査報告書によると、去年2月26日に岩手・大船渡市で約3370haにわたって延焼。大船渡市の面積の約1割にも及び、平成以降最大の山林火災となりました」
「また、発生してから消し止めるまで非常に時間を要しました。発生から、ほぼ消し止められる状態である鎮圧までに11日間を要しました。さらに、完全に火が消し止められた鎮火に至ったのは4月7日で40日間を要しました」
■大船渡市と大槌町の共通点は?

忽滑谷こころアナウンサー
「大変な火事ということで、記憶に残っている人も多いと思います。今回(の大槌町の山林火災)との共通点はどんなところにあるんですか?」
山粼アナウンサー
「どちらも出火当時、乾燥注意報と強風注意報が出ていた点です。大船渡の時は2月の降水量が観測史上最も少ない記録的な少雨でした。今回の大槌町ではそこまで雨が少ないわけではありませんが、4月17日から乾燥注意報が毎日出されています」
「また、山火事のピークの時期というのも共通点です。林野庁によると、山火事の約7割が1月〜5月にかけて集中して発生しています。その理由として考えられるのは落ち葉の存在です。冬場は葉が落ち、それがたまって燃えやすい状態になっています」
「特に、太平洋側では乾燥した状態になるといった自然条件が重なりやすいといいます」
■今後まとまった雨が降る可能性は?

桐谷キャスター
「大槌町にも乾燥注意報が出ているということですが、今後雨が降る確率はどうなっているんですか?」
山粼アナウンサー
「今後雨が降って火の勢いが収まればというところですが、土日の25日〜26日も空気が乾燥した状態が続くという予想が出ています。また、来週にかけて曇りや弱い雨の予報はあるものの、まとまった雨が降る可能性は低いということです」
鈴江アナウンサー
「まだ乾燥した状態が続くということです。今、懸命の消火活動が続いていますが、周囲にお住まいの皆さんは十分な注意が必要となりますね」
山粼アナウンサー
「峠准教授は、強風や風向きの変化で火災はさらに拡大する可能性があり、予断を許さない状況が今後も続いていくとみています」
【みんなのギモン】
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