【分析】トランプ氏支持率、崩壊が始まった可能性

(CNN)ジョージ・W・ブッシュ元米大統領の支持率が崩れ始めたのは、20年前のまさにほぼこの時期だった。そして、同氏の支持率が冬の終わりから春先にかけて多くの世論調査で初めて30%台に落ち込んだ原因は明白だった。イラク戦争だ。
2026年のトランプ大統領に関しても、歴史が繰り返されている可能性がある。イラクをイランに置き換えればよい。
21日に公表された三つの新たな世論調査では、トランプ氏の支持率はいずれも30%台半ばだった。ロイター/イプソスの調査では36%、ストレングス・イン・ナンバーズ/ベラサイトの調査では35%、AP通信/シカゴ大学全米世論調査センター(NORC)の調査では33%だった。週末のNBCニュースの調査でも過去最低の37%を記録していた。
この1カ月、CNNが追跡する質の高い9件の世論調査のうち8件で、トランプ氏の支持率は30%台となっている。
唯一の例外は、41%としたFOXニュースの調査だったが、それでさえ同調査で17年以来最悪の数字だった。
こうした数字の背景を考えてみよう。
トランプ氏不支持は過去最高水準にすべての世論調査が、最低の支持率を記録したことを示しているわけではない。
調査会社によっては、1期目の17年や、21年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件後の方がわずかに低かった。
しかし、前述の質の高い調査の平均を算出した「CNNポール・オブ・ポールズ」で62%となっているトランプ氏の平均不支持率は、こうした過去の局面で示されたどの調査会社の数字よりも高い。
17年に行われた各調査の最も高い不支持率は、ピュー・リサーチ・センターの調査で63%、キニピアック大学で61%、ロイター/イプソスで60%だった。1月6日の後は、CNNの調査で62%、キニピアック大で61%、米紙ワシントン・ポスト/ABCニュースで60%だった。
現在のトランプ氏は全体の平均でそうした水準にある。この結果は、これまで以上に多くの米国民がトランプ氏に反対していることを示している。
トレンドラインは一貫しているトランプ氏にとってさらにやっかいなのは、2期目のトレンドラインが驚くほど一貫していることだろう。一貫して下落傾向にあるのだ。
1期目のトランプ氏はかなり不人気だったという全般的な印象があるかもしれないが、17年の低水準からは持ち直し、在任中の大半の支持率は40%台前半で推移した。これは、近年の大統領としてはある程度普通の水準だ。18年の中間選挙前や、再選を目指す20年の選挙中でもそうだった。
1期目の支持率はほとんどの期間で見事に横ばいだったのだ。
しかし2期目ではその数字がゆっくりと、ただし着実に下がり続けている。
この傾向はイラン戦争前から始まっていた。だが、この戦争はトランプ氏の大きな負担のいくつかをさらに強固なものにしているようでもあり、これまで離れることのなかった支持層を犠牲にしている。
経済政策で最低水準を更新その大きな理由は、経済運営に対する評価にあるようだ。イラン戦争と、それに伴うガソリン価格の上昇が支持を最低水準に押し下げた。
具体的には次の通りだ。
・先月下旬のCNNの調査では、トランプ氏の経済運営に対する支持率が過去最低の31%に落ち込んだ。
・今月のCBSの調査では、経済とインフレに関する支持が最低を更新した。
・インフレ対応に対する不支持率は、今や常に70%前後となっている。
インフレは長らくトランプ氏にとって最も難しい問題であり、有権者は繰り返し同氏が物価上昇への懸念を無視していると訴えている。だが世論調査は、その座をイラン戦争が脅かしつつあることを示している。
NBCの調査では、米国民の3分の2がイラン戦争に関してトランプ氏を支持しないと回答した。これは、インフレ対応を支持しないとした68%とほぼ同水準だ。
ブッシュ政権時代の領域へもちろん、トレンドラインが変わり、イランとの戦争の解決がトランプ氏の助けになる可能性はある。
一方でトランプ氏の支持率が30%台半ばで定着するなら、その領域はかなり珍しい。近年、そこに到達したのはほぼ1人、ジョージ・W・ブッシュ氏だけだ。
ギャラップのデータによれば、20年前に支持率が30%台に落ち込み、その水準にしばらくの間とどまったブッシュ氏は、ジミー・カーター元大統領以来だった。ジョー・バイデン前大統領もブッシュ氏と同様、かなりの期間30%台で低迷したが、概して30%台後半だった。
近年、大統領が不人気なのは珍しくない。むしろ、それが普通ともいえる。
しかしトランプ氏は、かなり異例で危険な政治的領域に足を踏み入れつつある。
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本稿はCNNのアーロン・ブレイク記者による分析記事です。
