バーチャルモニター特化型XRグラス「RayNeo Air 4 Pro」映像は文句なし、問題は装着感だけ?
去年大きな盛り上がりを見せたスマートグラス。今年に入ってからはプライバシー問題が大きく取り沙汰されていますが、まだまだ新製品は登場しそうです。
スマートグラスってバリエーションが豊富で、ビジュアルに特化したタイプやオーディオに強いタイプなど、ハードウェアスペックは実に多種多様。その中で、特に映像モニターとしての要素が強いのがRayNeo Air 4 Pro。
「HDR10」という、スマートグラスとしては超美麗なディスプレイを搭載したRayNeo Air 4 Proをレビューした米Gizmodo。映像の綺麗さは褒めていたものの、装着感がいまひとつだとか…。
RayNeo Air 4 Proは日本でも販売されており、価格は4万9980円。
スマートグラスと言ってもいろいろです。日常生活のサポートを主眼に置いたモデルもあれば、VRヘッドセット寄りの機能を備えたエンタメ向けのモデルもあります。
「目の前にバーチャルモニターがあったらいいよね!」と、後者寄りの方向性なのがTCLのRayNeoシリーズ。 過去にも同シリーズをレビューしたことがありましたが、その最新モデルであるRayNeo Air 4 Proが手元にやってきました。
スマートグラスで世界初となるHDR10ディスプレイ搭載のRayNeo Air 4 Pro。価格は299ドル。売りは明るくシャープで、ゲーミングモニターの前に座っているかのような視界を実現してくれるディスプレイです。
正直、一般向けではないです。もちろん、悪くもないんですけど。
ディスプレイ最高
まず先に言っておくと、今、まさにRayNeo Air 4 Proをかけています。
このレビュー記事は、RayNeo Air 4 Proをかけた状態でタイピングしています。スマートグラスでもまったく自然にタイピングできています…とまでは言いませんが、思ってたよりずっと機能的ではあります。
ディスプレイに注力したエンタメ寄りのビデオグラスって、個人的にはスマートグラスの中でもニッチな存在だと思います。でもニッチではあるけど、アプリや機能が制限された一般的なスマートグラスより実用的。ただ「それって必要?」と言われたら答えられません。
まぁ、パソコンはあるし、テレビもあるし。多くの人には不要なんでしょう。
ただ、物理的に大画面を広げられない場所(移動中のバスとか飛行機とか、出張先のホテルとか)で大きなスクリーンがあれば…と思う人には朗報です。悪くない選択肢です。
RayNeo Air 4 Proは、マイクロOLEDディスプレイを両眼に搭載。最大輝度は1200nitsで、リフレッシュレートは120Hz。片目画質1920 x 1080で、201インチほどの巨大スクリーンを目の前に出現させることができます。
この画面、想像していたより明るくてシャープ。普通のモニターの代わりとして、ウェブ見たり仕事したりする分にはこのディスプレイで十分、ゲームも問題ないかと。
201インチなので大きく見えて当然なのですが、体感としても本当にデカい。自分が小さくなった気がするほど大きいです。大画面エクスペリエンスを求める人なら、がっかりさせません。
MacBook Airと繋いで「フォートナイト」をプレイしましたが、僕個人はゲーマーレベルがお子様級なのでRayNeo Air 4 Proでのプレイも特に不満はありませんでした。ちょいミスしても、RayNeo Air 4 Proというよりはクラウドの問題かなと。
Lenovo Legion Go Sでの「サイバーパンク2077」も不満なし。ゲーマーには嬉しいリフレッシュレート120Hz。不必要なら設定から60Hzに変更可能。
ところで、RayNeo Air 4 Proにはバッテリーがありません。端末に繋いで電力を分けてもらわないといけません。そして予想はつくと思いますが、バッテリーをめっちゃ食います。
画質1080pで音量80%で明るさマックスで10分YouTube見ただけで、繋いでたiPhone 17のバッテリーが4%減りました。2時間の映画を観たら、iPhoneのバッテリーが半分は持っていかれる覚悟です。デカ画面を考慮すれば、バッテリー食いは悪くはないけど、よくもない。
美しいディスプレイですが、1つ気になったのはバーチャル画面の端っこ。ちょいちょいぼやーっとボケるんですよね。これについては理由を考えてみたので、後述します。
全体的に仕事、ゲーム、エンタメ視聴のいずれにおいても満足感が高いバーチャルディスプレイなことは間違いなし。
299ドルなので、同種ガジェットのXreal 1Sより150ドルも安いのも魅力です。
Bang & Olufsenのスピーカーで音もいい
ゲームやエンタメでも使用では、音が思ったより良いことも大きなプラス。
まさかのBang & Olufsenスピーカー搭載(合計4基)なので、イマーシブで厚みのあるオーディオ体験が得られて満足感が高いです。スマートグラスってオーディオの質が機種によって千差万別なのですが、これは大当たり。オーディオを気にしてくれてありがとうまである。Meta Ray-Banのスマートグラスも音がいいですが、こちらも負けてないです。
一方で、オーディオ目的で1日中かけていられるかというと、それは無理。でも「オーディオが悪いから外そう」とも思わないですね。
どんな端末との組み合わせでも使える
USB-CのDisplayPortが使える端末なら、ほとんどの端末と接続して使えるのがRayNeo Air 4 Proの手軽さです。
RayNeo Air 4 Proと同梱のUSB-CケーブルでiPhone 17と繋げば、次の瞬間には目の前に巨大バーチャルディスプレイが。あまりに接続簡単ですが、SNSをスクロールするだけの用途で使うのはもったいないです。せっかくなら、このグラスは「さぁコンテンツを観るぞ!」ってときにこそかけるべき。
iPhoneと同じくパソコン接続も簡単。先述したとおり、Legion Go Sでサイバーパンク2077をプレイしましたが、それもサクッと繋いだだけ。残念なのはSwtich 2では使えないこと。
ディスプレイは繋ぐだけで設定いらずなのですが、オーディオはちょい面倒。場合によっては、設定からオーディオ出力を手動で切り替える必要があるケースも。
M1チップのMacBook Airに繋いだときは、オーディオが飛ぶこともありましたが、M2チップのMacBook Proだと発生しなかったので、RayNeo Air 4 Proの問題ではないのかも。
フィット感が…
全体的に満足度が高いものの、1つバツをつけるとしたら、それはフィット感。
もちろん、鼻や頭の形、耳の高さなどは人それぞれ違うので、あくまでも僕個人のフィット感になりますが、これが良くない。僕は鼻が大きめなのですが、スクリーンが見やすい遠目にグラスをかけると、鼻が圧迫される感じになってフィット感がしっくりこないんです。
同梱の鼻パッドを大きめサイズにすると、いくぶんマシです。鼻パッドの変更は簡単、メタルフレームからギュっとスライドすれば脱着できます。グラスのツルの部分も調整可能。鼻パッド自体は、正直チープな作りで装着感を向上させるものではないですね。
鼻パッドを大きめにして、ツルを調整しても、フィット感が良いというほどには改善されず。僕の場合は長時間の使用はきつかったです。
この鼻を圧迫される問題さえなければ、装着感は悪くないかもしれません。
重さは76グラム。グラスの見た目はちょいゴツいですが、スマートグラスとしては比較的軽い方にはいるでしょう。ツルには、音量や明るさのボタン、メニューボタンがあります。
しつこいですが、やっぱり鼻の圧迫感…。これのせいで、RayNeo Air 4 Proの総合的な体験価値がかなり落ちます。先述したディスプレイ端がボヤける問題も、この装着感が関係していると思います。視界クリアのベストポジションと装着感のバランスが、僕には合っていないのでしょう。
致命的とまでは言いませんが、鼻や耳のサイズによってスマートグラスの使用感はかなり変わってくるということだけは覚えておいてください。
機能自体は多くない
機能は多くないものの、エンタメが主軸なのでそれでいいかな。
左ツルのメニューボタンを押すと、ピクチャーモード・スタンダード・映画モード・リラックスモードの選択肢が登場。たとえば、映画モードならコントラスト強め、リラックスモードならブルーライト低減など。
モードによっては、あまり違いがわからないものも。
一方、画質にも選択肢があり、SDR・HDR10・AI HDRがあります。最後のAI HDRはアップスケーリングモード。最もビジュアルがいいのはHDR10です。YouTube動画(480p)を観ながらAI HDRモードも使ってはみましたが、画質は若干良くなったかなぁくらいのものでした。
そのほか、フレームレートや色味強化にAIを使った機能もあり、たしかに色味がビビッドになります。が、これはSDR画質でしか発動できない機能なので、なんだかモヤモヤっとします。HDR10にしとけばいいだけの話というね。
また、Windows端末を接続して、RayNeo Air 4 Proをセカンドモニターとして使うこともできます。Mirror Studioというソフトを入れてミラーリングして使うのですが、なぜか(僕だけ?)画面がめちゃくちゃボケるんです。
僕の視界の問題かと疑って、同僚にも試してもらいましたが、やっぱりボケボケとのこと。
ぜひ試してほしい3D化機能
ぜひ試してほしいのが3D化機能。無料のRayNeo ARアプリをダウンロードし、スマホとRayNeo Air 4 Proを繋いで、3Dモードを発動(明るさと音量ボタンを押す)すると「XRスペース」に入り、また異なるUIが登場。
ここでは、画像や動画を3Dにして観ることができます。
全ての画像・動画がうまいこと3D化されるわけではないものの、思ったよりずっとできていて非常にユニークで面白い機能です。
この機能で画像や動画を常に観るかと言われるとNOですが、たまに使う選択肢としてはあり。AppleのVision Proほどの没入感は当然ありませんが、楽しさは十分。3D化には数秒かかります。3D化機能は、他にもXreal X1、 One、One Proにもありますね。
総評
美麗ディスプレイでスマートグラスの中でもビジュアルよりの「ビデオグラス」。繋ぐだけで簡単に使えるのがなにより素晴らしく、ビデオグラスとして優秀だと思います。HDR10性能のディスプレイは明るく、クリア、シャープで文句なし。オーディオもよし。
問題はフィット感。少なくとも僕の鼻には合わないフィット感。装着感が問題ない人なら、文句のつけどころがない、かも?
いいところ:HDR10のディスプレイは文句なし、音が思ったよりいい、使いやすい
残念なところ:フィット感がいまいち(個人の感想です)、物足りない機能も。視界のボケがちょいちょいある

