坂口杏里はなぜ「300円の万引き」をしたのか…15年前に打ち明けていた「4つの悩み」

写真拡大 (全3枚)

15年前、坂口が打ち明けた4つの悩み

元タレントの坂口杏里が、窃盗容疑で警視庁に現行犯逮捕されていたことが明らかになった。都内のコンビニでサンドイッチ1個、300円相当を万引きした疑いで、本人も容疑を認めているという。

近年の坂口といえば、結婚・離婚・復縁の騒動に始まり、「精神的に追い込まれている、やばい」というSNS投稿、高級風俗店への勤務、かと思えば「一般人になる」宣言、そしてその数ヵ月後にはガールズバーの客との交際ゼロ日婚とスピード離婚――ネガティブな話題が絶えなかった。

つい最近も「自宅もなく、知人の家を転々としている」という情報が伝わってきたばかりだ。そんな話を耳にするたび、「なぜ彼女はこうなってしまったのか、救えなかったのか」という思いにとらわれるのは私だけではないはずだ。15年前、彼女はまだ母・坂口良子の七光りともいわれながら、芸能界で懸命に足場を固めようとしていた。

2011年のイベント出演時にはじめて取材したのを思い出す。坂口はまだ芸能活動を始めたばかりの頃だった。日本テレビのバラエティ番組「ゴシップカウンセラー」という企画で、坂口が芸能活動の悩みを打ち明け、筆者ら芸能記者が大物芸能人の実例を交えながら答えるというものだ。

坂口が出した「悩み」は、「バカキャラで売っているが、将来を考えるとどうかと思っている」、「ギャラが安いので、どうにかしたい」、「友達が少なくて困っている」、「結婚したいが、良い男性が見つからない」の4つだった。

当時の坂口はまだ収録慣れしておらず、カメラ目線から話し方まで素人のようだった。共演ゲストが磯山さやか、MAXのNANAで、キャリアの差は一層際立っていた。こうした場は本来、自己アピールの機会である。悩みはあくまで“演出”として語るだけでよかったが、彼女にはそうした線引きができていない様子だった。

給料の安さにしても、庶民的なエピソードとしてまとめれば視聴者の親近感につながるはずが、坂口は具体的な金額に踏み込み、「事務所に隠れてやっている喫茶店のバイトをやめたい」「ジャニーズの追っかけにお金がかかる」と深刻な愚痴のトーンで語り続けた。スタッフのカンペも無視してのことだった。

これにはMCや記者たちも「これオンエアするの?」って顔になっており、実際にかなりの部分がカットされた。ただ、筆者の目には、そこで好感度が落ちたというわけでもなかった。その素人っぽさ、あどけなさは、むしろ清純派女優の娘として、愛らしくもあったからだ。

整形を機に転落の道へ

さらに忘れられないのは、2014年8月20日、汐留で行なわれた主演映画「ハニー・フラッパーズ」の完成イベントだ。作品でキャバ嬢を演じた坂口は、その経験を後に実際にキャバ嬢の仕事に役立ててしまうのだが、当時は筆者の個別取材に「私の演技が下手なので、批判はたくさんあると思います。でも、メンタル弱いんで強くなろうと思ってます」と語っていた。

この頃は仕事も増え、出待ちのファンと記念撮影する姿も見られるなど、芸能界でやっていけるだけの手応えと希望があったはずだ。映画のポスターに掲げられていたキャッチコピーは「生き残るのは誰だ!」。もちろん作品内のサバイバルを指した言葉だが、いま思えば、それは彼女自身にも向けられていたかのように感じられる。芸能界という場所で、誰が生き残り、誰が取りこぼされていくのか。

しかしその後、転落への道に片足を突っ込んでしまう。本人も公言していた整形手術により、業界内では「個性が失われた」と惜しまれるほど、よくいるギャル顔に変わってしまった。

さらにホストクラブで散財しているという噂が流れるようになり、事務所を辞めた後はAV女優へ転身。

「やるからには誰に何を言われても、どれだけストレスを抱えてもトップになりたい」と意気込んでいたが長くは続かず、2017年には芸能界を引退してしまう。その後も交際相手やホストをめぐるトラブルで逮捕報道が出るなど、ゴシップタレントと化していった。

“おバカキャラ”では済ませられなかった

なぜこうなったのか。振り返れば、もともと感情や衝動のコントロールに困難を抱えていたのはデビュー当初から見てとれた。それは“おバカキャラ”という個性・武器にするより、適切なサポートが必要なものだったのかもしれない。

実際、手を差し伸べようとした人間がいなかったわけではない。2013年に母親を亡くした後、業界内でも「誰が彼女を支えるのか」という声が上がり、母親と親交の深かった大物俳優が援助を申し出たという。しかし坂口の周囲には彼女を利用しようとする者がいて、その俳優から金銭を引き出そうとしていたことがわかった。「それが知れ渡り、助けようとする人がいなくなった」と関係者は話す。

5年ほど前、芸能関係者との席で「もっと早い段階でサポートがあれば」と水を向けたところ、「やったんだよ、でもダメだった」という言葉が返ってきた。それでもなお、周囲の関わり方次第で違う結末があったのではないかという思いは消えない。

おバカタレントとして売り出される芸能人の多くは、実のところ"キャラ"を演じる計算高さと高い適応力を持っている。坂口の場合、初期から笑えない言動が目についた。今にして思えば、それは見過ごされるべきではないサインだったのではないか。

300円のサンドイッチの万引き。それ自体は報じるほど大きな出来事ではないかもしれない。しかしその背景には、個人の資質や意志だけでは語りきれない、長い苦悩が横たわっている。

【こちらも読む】『テレビ業界で秘密裏に広がる「タレント評価アプリ」…SNSで“嫌われている”芸能人が締め出される「衝撃のこれから」』

【こちらも読む】テレビ業界で秘密裏に広がる「タレント評価アプリ」…SNSで”嫌われている”芸能人が締め出される「衝撃のこれから」