東京都23区ごみ有料化検討、一斉導入は2037年以降 全国の1169自治体ではすでに有料化
東京都23区で、家庭ごみ収集の有料化が検討されている。ごみ袋1リットルあたり1円で有料化することで、ごみを減らすことを目的の1つとしている。
家庭ごみの有料化は政策としてこれまでも、23区の区長で構成する特別区長会で議論されてきた。有料化そのものは各区の判断で実施はできるが、区境は複雑で一部の区で有料になると不法投棄の可能性もあるとして、有料化する場合は「23区一斉」を想定している。現在のところ区長によって賛成・反対の立場は分かれており、およそ10年後の2037年度以降に全区で一斉に導入するという案が軸となるが、慎重論も根強い。
小池百合子都知事は1月の定例会見で「ごみの最終処分については、埋め立てスペースに限りがある。さらに一層の減量化が必要」と発言。各区が回収するごみは年間約160万トンで、焼却後に都の処分場に埋め立てられる。東京都の見解では埋立処分場はあと50年で満杯になるとのことだ。
有料化の根拠として有料化を先行実施した多摩地域で排出量が減少したことをあげている。八王子市では、有料化前は12万9150トン出ていたが、ごみ袋40リットル10枚750円になった後は7万9781トンとなり約5万トン減少したという成果が出ている。特別区長会は、他の自治体を参考に指定ごみ袋を1リットルあたり1円にすれば、排出量は約1割減ると試算した。
環境省によると、2023年度の時点で家庭ごみを有料化しているのは、全国1741自治体の約7割に当たる1169自治体となっている。
有料化には賛否両論
有料化をめぐっては、地元議会でも賛否両論だ。中島雄太郎江東区議会議員は「私たちの子ども、孫の世代には、街中に処理できなかったごみがあふれてしまう」と危機感を募らせている。一方で東京都議会議員(江東区選出)のさんのへあや氏は「マンションの集積場では、1つ1つの袋が有料の袋かどうかを判断して回収を分けるのは困難。不法投棄や衛生悪化、管理人の負担増などデメリットの方が大きい」としている。
SNSでは「東京は家庭ごみを無料で捨てられるんだビックリ。有料化当然」「有料が当たり前」といった賛成意見が見られる一方で、「その分住民税が高い。減税とセットでやれ」「有料化したら不法投棄が増える」と反対意見も上がっている。
ごみの収集作業員としも働いているお笑いコンビ・マシンガンズの滝沢秀一は「ごみ清掃員としては、ごみ袋有料化は賛成だが、物価高、相次ぐ増税の中、有料化は生活者として賛成できない。どこに税金使っているんだよという皆さんの怒りは同感です」とポストした。
埋立地の容量の限界が見えてきているため、削減は必須だ。前述通り満杯まで50年、23区一斉有料化の導入までにあと10年。有料化を検討しつつ、同時にほかに削減できる方法がないか模索する必要もあるだろう。
文/並河悟志 内外タイムス編集部
