これは実は昨年来、お馴染みの現象で、昨年4月、トランプ関税発動から短期間で株価が急反発したのも同じパターンだ。TACOトレードの「C」(チキン=怖気づく)を「S」(スクイーズ=踏み上げる)に変えて"TASOトレード"と命名したい実情があるのだ。そして足もとでは、ダウ工業株30種平均やS&P500種指数、ナスダック総合指数など主要指数のチャートが200日移動平均線を下抜きつつあり、そろそろ"TASO"が発動されてもおかしくないタイミングに来ている。これに"停戦"というカタリストが加われば、一気に株価は急騰局面を迎える、というのがメインシナリオだ。

 もちろん、イスラエルの意向に引きずられ、戦争が長期化するというリスクもなくはない。だが、確率は低いだろう。むしろ潜在的に大きなリスクとなり得るのは、米金融市場で懸念が高まっているプライベートクレジット・ファンドの問題だ。JPモルガン・チェース のジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)が指摘したこの問題は、2008年の世界金融危機(リーマン・ショック)との共通点も多い。ノンバンクという不透明な舞台での異変であり、トランプ政権としても、イスラエルに付き合い続けて金融リスクを放置する余裕はないはずだ。

◆「第2のパランティア」が期待できる防衛関連銘柄とは?

 では次に、こうしたメインシナリオで進むことを前提に、今後の個別銘柄への投資戦略について考えてみたい。まず、イランでの停戦が実現した場合、真っ先に株価の急反発が期待できるのが、世界最大規模のクルーズ船運航会社のカーニバル と、北米を中心とした格安航空会社、サウスウエスト・エアラインズ だ。両社とも開戦以来、大きく売り込まれているが、業績自体は悪くない。特にカーニバルの株価は必要以上に下落しているが、その分大きな反発も期待できるだろう。

 政策面では、4月から本格化するトランプ減税の還付への期待がある。低価格ファッションのロス・ストアーズ やディスカウント大手のTJX は、日本での知名度は低いが業績・株価ともに右肩上がりで、地合いの変化とともに上値を追う可能性が高い。

 今年の6月以降にスペースXの上場が予定され、注目度が高まるだろう宇宙関連銘柄でも、いくつかの有望企業が挙げられる。中・小型ロケットの開発・製造、打ち上げサービスを中心に、関連ソフトウエアやシステムソリューションを一括して手掛けるロケット・ラボ は、宇宙ビジネスの総合企業としてスペースXに対抗できる唯一の企業ではないかと言われている。

 業績はまだ赤字が続いているが、バイオベンチャーとは違って財務基盤はしっかりしている。何と言っても株価チャートの形が非常に良く、かつてのGAFAMもそうだったが、乱高下を繰り返しながら着実に下値を切り上げている。特に一定期間、揉み合いを続けた後は急騰するというサイクルがあり、まさに今のチャートはそこに当てはまっている。このセクターの中では4月以降、最も期待できる銘柄ではないか。

 他にも地球観測のプラネット・ラボ や、衛星ブロードバンドのASTスペースモバイル も面白い存在だ。これまで、宇宙関連セクターは将来の夢に賭ける"理想買い"のステージだったが、そろそろ商用化への道も見え始めてきて、"現実買い"のステージに入ってきたのではないかと感じる。