16試合ぶりのゴールを決めた久保。(C)Getty Images

写真拡大

 レアル・ソシエダにとって、2025年の締めくくりはあまりに過酷なものとなった。残留争いの直接対決となったレバンテ戦。それは悲しいことに、今のソシエダにとって「今年最も重要な一戦」と呼ばざるを得ない試合だった。

 結果は、後半アディショナルタイムの痛恨の失点によるドロー。マリエスクレーナの幼稚なミスと、それを見逃さず(あるいは共謀したかのように)PKの笛を吹いた審判、そして肝心な時に機能しなかったVAR。この日、我々に突きつけられたのは、一つの「良いニュース」と、一つの「非常に悪いニュース」だった。

 良いニュースは、誰もが待ち望んでいたことだが、タケ・クボ(久保建英)が本来の輝きを取り戻したこと。そして悪いニュースは、ソシエダが開幕からここまでレバンテを含む降格圏の3チームを相手に勝点1しか積み上げられず、ついに「地獄(降格圏)」との境界線からわずか勝点差2という位置まで転落したことだ。

 ラ・リーガの歴史は、年間予算やスター選手の存在が残留を保証するものではないことを、残酷なまでに証明している。アトレティコ・マドリー、ビジャレアル、デポルティボ、セルタ、ベティスといった強豪、名門が相次いで降格の憂き目に遭ってきた。
 
 現在のソシエダは、アイデンティティ、信頼性、そして何より結果において危機的状況にある。今シーズンの計画を立てた者たちが、今まさに袋小路に迷い込んでいる。昨シーズン、降格した3チームと昇格組を除けば、2025年の1年間、ソシエダが獲得したポイントはラ・リーグで2番目に少ない。これはもはや「悲劇」と呼ぶほかない。

 チームの再建は、冬に加入するかもしれない新戦力以上に、今いる「優秀なはずの選手たち」がどれだけ目を覚ますかにかかっている。

スペインでは、本来の力を発揮できないチームが現れると、多くの人が「サッカーの仕方を忘れたわけではない」と言うが、現在のソシエダにはその言葉を証明しなければならない選手たちが少なくない。

 タケは違う。彼のレベルと実力はよく知られており、遅かれ早かれ、パンドラのを開け、その疑いようのない才能を再び披露するはずだった。ファンは、彼が再び「魔法のランプ」をこすってチュリ・ウルディンを救う存在となってくれるのを、長い間待ち続けてきた。
 
 レバンテ戦で、タケはついに得点を決め、マン・オブ・ザ・マッチにも輝いた。しかし、この遅すぎる表彰は、癒えぬ傷をより深く抉るようにも見えた。能力がないために結果が出せないならまだしも、タケのようにポテンシャルはあるのに結果が伴わないという状況は、本人にとってもファンにとっても、無力感を倍増させるからだ。

 今のタケは、本来の役割以上のものを1人で背負い込み、時には個人の限界値を超えた無理を自分に強いてプレーしている。決して隠れることなく、果敢に挑戦し続けている。しかし、チームの不調という逆風が、彼のプレーをゴールに繋がる前に打ち消してきた。彼を苦しめているのは才能の欠如ではなく、あまりに巨大なフラストレーションだった。

 しかしレバンテ戦のタケは、そのフラストレーションを責任感へと昇華させていた。3日前のコパ・デル・レイのエルデンセ戦で90分フル出場し、疲労の色が濃いゲデスや故障明けのオジャルサバルがコンディションに不安を抱える中、彼は迷わずチームをその背中に背負った。

 基本ポジションこそ右サイドだが、この日のタケは自由奔放だった。神出鬼没に中央へ切り込み、相手の守備ブロックを崩した。

 立ち上がりからキレキレだった。7分には右から斜めに切り込んでバイタルエリアを横断。18分にはCKのクリアボールを拾って右足で強烈なシュートを放った。22分にはパスが通れば相手GKと1対1という裏への抜け出しを狙ったが、マヌ・サンチェスに間一髪でカットされた。その直後、 オジャルサバルへ完璧なスルーパスを供給。30分にはパブロ・マリンに絶妙なパスを送った。