一方、シウタ・エスポルティーバでは、確かにプロのフットボーラーという固定観念を打ち破ろうとするその嗜好が、パフォーマンスに影響を与えたり、ロッカールームの雰囲気を乱したりすることがないようには配慮しているが、それ以上の介入は控えている。
 
 ヤマルはその若さにもかかわらず、おそらくは一流選手に相応しい、ある種の特権を許されている。「しかし」と、同じ情報筋は釘を刺す。

「酷い状態で練習場に遅れて到着したことは一度もない。バルサでは数年前に起こっていたことだ。ある日、少し遅刻したことがあるか?それはあるかもしれない。でも彼は非常にプロ意識の高い若者だよ」

 だから、午後、ヤマルが練習場でフィジオセラピストの治療を受けたり、ラ・マシアで散髪したりしても、誰も驚かない。「そこは彼の家だ」と前出のシウタ・エスポルティーバの関係者は言う。バルサは、ヤマルが不良グループと行動をともにしないため、13歳の時にラ・マシアに迎え入れた。「あらゆるものから彼を守る必要があった」と、当時バルサの育成部門は説明していた。

 彼はその習慣を今も失っていない。しかし、ヤマルはさらに成熟した大人になりたいとも考えている。そして、彼の人生におけるほとんどのことがそうだったように、それを1人で成し遂げようとしている。

「両親は、ある意味で存在しているものの、彼は以前から自分のことは全て自分でやることが当たり前になっている。両親の支えを必要としていない。むしろその逆で、彼が両親の面倒を見ている」と前出の周辺者は強調する。
 
 ヤマルの人生における次のステップは、家を購入することだ。それもただの家ではない。シャキーラとピケがかつて共有していた家である。ヤマルにとっては安心・安全な環境を手にすることになる。

 新しい家は周囲の喧騒から離れ、アレハンドロ・バルデやアラウホといった仲の良いチームメイトが近くに住む、バルセロナ郊外のエスプルゲス・デ・ジョブレガットにある。

「ファミリー向け住宅を、エリートスポーツ選手向けの家に改造するのが狙いだ。最高のセキュリティが確保され、友人が泊まれる十分なスペースがあり、トレーニング時間を延長できるリフォーム済みのジムも備わっている」と前出の知人は語る。
 
 計画はすでに進行中だ。フリオ・トウス率いるフィジカル部門の指示に従って自宅でもトレーニングを行うためフィジカルトレーナーと理学療法士を配置する予定だ。この“バンカー”では、エリートアスリートとしての生活と、彼自身のライフスタイルを両立させることができる。すなわち、ピッチ上でもピッチ外でもヤマルが非凡であり続けることを可能にする環境だ。

文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

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