「僕たちは心の友であり、マブ」 “おにラブ”の2人が語る、これまでとこれからのこと

写真拡大 (全4枚)

YouTubeで注目を集めた“おにラブ”こと「おにいさんずラブ」が、活動方針の転換と休止を経て語る「続ける理由」。噂、挫折、ファンへの恩返し──2人のこれまでと、これからの選択とは?

昨年4月にYouTubeチャンネル『おにいさんずラブ LOVE HOUSE』を開設し、現在はサブスクを中心に動画の配信を行うきょーたさんとみつきさん。

お笑い養成所で出会った彼らは同期の芸人仲間を加えた3人で活動を始めるも、数ヶ月後に1人が脱退。その後、関係性を深めた2人は同性カップルとなり、恋愛の1シーンを描いたショートドラマや日常を切り取ったVlogがSNSなどで話題に。

チャンネル登録者数は15万人を超え、オフラインのイベントも開催。順調に活動を展開する中、今年9月にカップルとしての活動の終了とYouTubeの休止を発表。新たな形と関係性で活動を継続することを選択した2人に、これまでの経緯や今後の展望について伺います。

「2人で河川敷に体育座りして、途方に暮れた日もありました」(みつき)

── YouTubeを始めた経緯を教えてください。

きょーた

当時僕らは芸人1年目で、知名度を上げる活動の一環としてYouTubeをやってみようという話になったんです。

みつき

僕は多少不安もあったので最初は抵抗していたんですが、きょーたともう1人が結構意欲的で。お笑いのライブに人がたくさん来てもらえるような芸人になることを3人の目標として掲げて、YouTubeのチャンネルを立ち上げることにしました。

きょーた

みつきは動画制作の経験があったので、一人暮らしをしていた彼の部屋に集まって編集のやり方を教わって。その後3人でシェアハウスを始めて、本格的に活動がスタートした感じですね。

── 活動を始めた当初は芸人さんらしい企画動画やVlogが中心でしたが、恋愛をテーマにしたショートドラマを上げるようになって一気に注目度が高まった印象があります。

みつき

僕たちの中で、活動を始めた頃から一貫している方針があるんです。それは、“求められていることをやる”ということ。当初は毎日投稿だったこともあっていろんな企画に挑戦していましたが、3人時代に始めたドラマの反響が大きかったので力を入れるようになった感じですね。

ただ、そんな中で1人がある事情で辞めてしまって。今後の活動方針が立たず、近所の河川敷できょーたと体育座りをしながら「もう無理だよ…」と途方に暮れたことも。今振り返ると、あの時が人生で一番しんどかったと思います。2人でめちゃくちゃ悩みましたが、一旦ドラマのクオリティの向上に注力してみようという結論になったんです。

きょーた

金銭的にも精神的にもギリギリの状態で、本当にしんどかったですね。僕とみつきで動画の方向性についてとことん話し合って、“こんなんしてみよう”、“あんなん試してみよう”と死ぬ気で考え続ける日々でした。

みつき

ライティングにこだわってみたり、ビジュアルに関しても「どっちかが金髪の方がいいかも」ということで僕が金髪にしたり。

きょーた

そうやってドラマをアップしていく中で、ありがたいことに少しずつ反応を頂けるようになってきて。撮影と編集で寝る時間もないくらい忙しくて体力的にはかなりしんどかったけれど、動画の視聴数が伸びたり、ファンの方からコメントをもらえたりすることがめちゃくちゃ嬉しかったですね。本当に喜びしかなかったです。

── “求められることに応える”というスタンスを続けていくのは大変な部分もあるかと思いますが、おふたりにとってどんなことが活動のモチベーションになっているのでしょうか?

みつき

焼肉です(笑)。僕たち、当時は100円の水も買えないくらいめちゃくちゃ貧乏だったんですよ。なので“とにかく頑張って、いつか焼肉をたらふく食べるぞ!”と思いながらやっていました。

きょーた

養成所を卒業したばかりで、バイトしながら漫才のネタを作って…という生活だったから、本当にお金がなくて。焼肉のことを考えながら、YouTubeの毎日投稿という目標を達成するためにひたすら走り続けていた感じです(笑)。

きょーた

それに、当時も今もファンの方たちがめちゃくちゃ僕らのことを気遣って下さるんですよ。こんなに親身になって応援して下さるのだから、僕たちもなんとしてでもファンの方たちに貢献したいっていう気持ちになる。そこもモチベーションとしてはすごく大きいですね。

「2人で活動を続けることが、応援して下さる方たちへの恩返しに」(きょーた)

── 9月にカップルとしての活動の終了とYouTubeの休止、そして予定されていた全国ツアーの中止も発表されましたが、発表に至るまでの経緯や当時の心境を話せる範囲で教えていただけますか?

きょーた

その時期に僕たちの関係性に関する噂がSNSに上がり、中には僕ら以外の人に触れた内容もあったんです。自分たちは何を言われてもいいという覚悟があったけれど、周りにまで迷惑がかかってしまう恐れがあった。みつきと頭を抱えながらどう対処したらいいのか話し合って、2人の今の関係性や活動内容の変更について発表することにしました。

みつき

僕たちはメンタルが強い方ですが、結構ダメージを受けてしまって。というのも、その時期は撮影が思うように進まず、週2本を予定していたドラマの投稿頻度が下がってしまっていたんです。楽しみにして下さる方たちに申し訳なく、どうにか現状を打開しなきゃと焦りながら全国ツアーの準備も必死に進めていた状況で。

そんな中、僕たちだけでなく周りまで巻き込むような形になってしまったことで、精神的に追い込まれてしまった。あのまま進んでいたら、僕もきょーたも多分おかしくなっていたと思います。

きょーた

2人ともいろいろ限界を迎えていて。現実的に考えた時に今進めているものを全て実行するのは無理だと判断して、一回ちゃんと自分たちの状態を整えるために全国ツアーは中止とさせていただきました。

── 全活動の終了や解散という選択肢もある中、2人で活動を続けることを選んだ理由をお聞かせください。

みつき

僕らは2人とも、自分たちの欲というものがないんです。“求められているならやる、求められていないならやらない”の二択なので、2人の活動を望んでくださる方がいるのであれば、何らかの形で続けていこうというのが2人の共通した思いですね。

きょーた

活動を始めた頃は芸人といってもほぼ素人状態だったので、僕らの動画を求めてもらえることが単純に嬉しかったし、ファンの方たちの存在が全ての原動力だったんです。

今も僕たちを応援して下さる方たちがいて、イベントだとか動画だとか、何かしらの形でその方たちに恩返しをすることができる未来が見えている。だとしたら、全部を辞めるのではなく、2人ができることを続けていく方がみんなハッピーなんじゃないかなって。

「これから先は、ワクワクする選択肢を優先していきたい」(みつき)

── 今後はどういった活動を予定されていますか?

みつき

今お話しできる範囲でいうと、カフェやラジオの公開収録といったファンの方と直接お会いできるオフラインのイベントの開催が決定していますし、その他にもいろいろな企画が進行中です。

きょーた

まだ言えないことが多くて…すみません! そうやってファンの皆さんに恩返しをしながら、新たな展開だとか未来について考えていけたらと思っています。

みつき

僕たちは結局、水が買えて焼肉が時々食べられたらそれで幸せなんです。たくさんのお金は必要ないから、ワクワクする方を優先していきたいっていう気持ちでいますね。芸人を目指すところから始まった、エンタメ人間なので。

きょーた

物欲も特にないしな(笑)。そういう身軽さは僕たちの強みかもしれません。

── おふたりの活動の中でドラマの存在は大きかったと思うのですが、今後もドラマを撮影する予定はあるのでしょうか?

きょーた

そうですね。僕たちの中では、撮れるのであれば撮りたいという気持ちはあります。

みつき

ただ、これまでに150本近くドラマを撮ってきたので、新たな内容が思い浮かばないのが正直なところで。

僕たちのドラマは基本的に台本がなく、何分頃にこのフレーズを言うってことだけ決めてあとは全てアドリブなんです。カップルの思い出に残るシーンって、ふとした瞬間だったりするじゃないですか。それを6〜10分の動画にするという難しさも含めて、現状ではなかなか難しい部分も。

きょーた

新たな試みとして学生の設定にも挑戦してみたんですが、どうしても演じている感じになってしまって…。

みつき

自分たちの演技力不足を実感して、一旦断念している状態ですね。

「自分が成長できたのは、みつきがいてくれたから」(きょーた)

──『おにいさんずラブ』の活動以外に、それぞれ挑戦してみたいことはありますか?

きょーた

やりたいことはいっぱいあるんです。焼肉屋、カフェ…。バーもやってみたいし、個人的にはいつか山形で番組を持ちたいっていう夢もあります。

みつき

僕は世界を回って、いろんな価値観に触れたいですね。留学もしてみたいけれど、応援してくださる方々やお世話なっている人たちに活動を通して恩返しをしていきたいので、まだまだ先の話になりそうです。

きょーた

留学は僕も憧れますけど、とりあえず目の前に見えているものを頑張ってからですね。もちろん、機会があればまた芸人として活動することも考えてます。

みつき

僕ももちろんそうです。コンビとしてきょーたと活動するかは未定ですが(笑)。あとは、表現力ももっと磨きたいですね。ドラマを撮りながら未熟さを痛感したので、演技の勉強をしたいです。

── おふたりを取り巻く環境や関係性が変化する中、変わっていない点があればお聞かせください。

きょーた

どんなことでも2人で話し合って決めるという点は変わってないですね。2人が合意して「よし、やろう!」ってなった時の加速度はエグいと思います。あとは、一緒にご飯を食べるってことですかね。お金がない時からどうにか安いお肉を探したりしながら2人でご飯を食べてきたので、そこはずっと変わらないです。

みつき

そうですね。僕たちは最初から案外何も変わってないんですよ。お互いに言いたいことを言い合いながら、一番キツい時期を一緒に過ごした間柄なので。とはいえ、空気がめっちゃ悪い時もありますけどね(笑)。

きょーた

マジで口きかん時も全然あるし、“ふざけんな!”って思う時もありますよ。でも、2人で活動を始めた頃にいいドラマを撮るためのぶつかり合いを死ぬほどしたので、今はどんな問題が起きても話し合いで解決できるように。なので、深刻なケンカに発展することはないですね。

みつき

それにケンカをしたとしても、仲直りの仕方を覚えているので。きょーたはタバコを吸っているから、息がすっごく臭い時があるんですよ。険悪になったら、「お前の息を嗅がせてくれ〜」と言って僕が彼の口の臭いを嗅ぐんです。それで「くっさ!」と大爆笑した後に僕の臭いも彼に嗅がせて、「うわ、ほんまにくっさいな! 焼肉いこ」で仲直り(笑)。

きょーた

そういうところはわりとカラッとしてるかもしれません(笑)。

── いろんな時期を経た今、相手の存在を一言で表すとしたら何になりますか?

きょーた

いろいろありますよ。パートナーやら、相方やら、相棒やら。僕は高校卒業してから家で浪人をしていて、バイトの休憩中も勉強するくらいずっと勉強のことしか考えてこなかったんです。

それにもともとマイペースでのんびりした人間なので、社会における人付き合いの仕方がよくわかっていなくて。みつきはそういった点をズバズバ指摘してくれるんです。そのおかげですごく成長できたので、彼がいてくれてよかったです。

みつき

僕はきょーたの師匠なので(笑)。逆に僕にとっての彼を一言で表すなら、奥さんかな。僕がスタッフに業務上の指示をすると、厳格な父親みたいに怖く見えちゃう部分があるんです。それを優しい雰囲気に変えてくれるのがきょーたくんで。やんわりとしたクッション役がいてくれることがめちゃくちゃありがたいですね。

きょーた

言いにくいことをみつきに言わせてしまって、ズルいっちゃズルいんですけどね(笑)。そういった部分も含めてみつきは僕にないところをいっぱい持っているので、彼から学びながら僕もできるようにいきたいなと思ってます。

── これからまた形が変わったとしても、おふたりの関係性は続いていくと思いますか?

きょーた

そうですね。ずっと一緒に過ごしてきたから、お互いが考えていることも大体わかるし。

みつき

僕たちは心の友であり、マブなので。今後何があっても、付き合い方は一切変わらないだろうなと思ってます。

おにいさんずラブ

2003年3月18日生まれ、山形県出身のきょーたと、2004年12月17日生まれ、栃木県出身のみつき。2024年4月にYouTubeチャンネル『おにいさんずラブ LOVE HOUSE』を開設し、シェアハウスをしながら活動をスタート。現在は公式サブスク『おにサブ』を中心に動画の配信を行っている。

“おにラブ”の2人が登場! anan2471号の特集は…

information

「とっておきの贈り物 2025」特集

anan恒例の手みやげ・ギフト特集。スイーツライターのchicoさん、ギフトコンシェルジュの真野知子さん、フリーアナウンサーの宇賀なつみさん、料理家/管理栄養士の長谷川あかりさんといったananおなじみのフード賢者たちのトレンド感ある手みやげグルメの紹介のほか、俳優の梅沢富美男さんや、元TBSアナウンサーの堀井美香さんら食通の有名人によるこだわりのセレクトも。いま贈りたいギフトの最適解が見つかる一冊です! 松井玲奈さんによるエッセイや、注目の芸人コンビ・例えば炎の贈り物にまつわるストーリーも必読。

2471号の詳細はこちらから

写真・柴田フミコ 取材、文・穂坂晴乃