アフマダリエフに勝利した井上尚弥(奥)【写真:徳原隆元】

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アフマダリエフを完封

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が14日、名古屋市のIGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦に臨み、3-0の判定勝ちを収めた。世界戦最多に並ぶ26連勝、史上最多5度目の4団体同時防衛を達成。“最大の強敵”に見せ場を作らせず完封した。海外メディアも、戦いぶりを絶賛。完全勝利を報じていた。

 19年ノニト・ドネアとの第1戦以来、6年ぶりの判定決着。ダウン奪取もKOシーンもなかったが、井上の技術が凝縮された“極上の12ラウンド”だった。

 ジャブ、ボディーストレートを放ちながらも、アフマダリエフの強打を避ける落ち着いた戦いぶり。4回にはワンツー、軽快なステップからの攻撃も披露した。6回終盤、井上が強烈な左ボディ3連発。着実にダメージを与え、場内も「尚弥コール」が沸き起こった。7回にはノーガード、9回には笑顔を見せる余裕も。終盤突入の10回でも体の切れは全く衰えず、圧勝した。

 世界で最も権威ある米専門誌「ザ・リング」では「スマートなナオヤ・イノウエがムロジョン・アフマダリエフを圧倒し、タイトルを防衛」との見出しで記事が公開された。「爆発的なKOアーティストとして知られているが、美しいボクサーであることは忘れられがちだ」と、KO勝利の目立つ井上が持つ一面を強調した。

「ラウンドが中盤に近づくにつれ、イノウエはオリンピック銅メダリストを翻弄し、鮮やかな単発のパンチでスコアを重ね、一瞬一瞬をコントロールしていた」

 対するアフマダリエフについては「スピードが足りなかった。パワーが足りなかった。クレバーさが足りなかった。異次元のパウンド・フォー・パウンドの偉大なボクサーを倒すには、到底及ばなかった」と、全てにおいて井上を破るには足りなかったと指摘した。「最終的に、ディフェンディングチャンピオンのボクシングスキルとリングIQの見事なパフォーマンスが光った試合となった」と井上を絶賛している。

英BBCも「完全支配」「勝者は明らか」

 また英公共放送「BBC」も「イノウエが、アフマダリエフに勝利し無敗記録を維持」とのタイトルで記事を掲載し「無敗の日本人ボクサーは、ウズベキスタンのボクサーを完全支配した圧勝で、プロ戦績を31勝0敗とした」「名古屋での試合終了のゴングが鳴る頃には、勝者は明らかだった」と完全勝利を伝えた。

 米専門メディア「ボクシング・シーン」も「ナオヤ・イノウエがムロジョン・アフマダリエフを圧倒し、12月のタイトル防衛に臨む」と、次戦が12月に控えていることと合わせて報道。「イノウエはペースをコントロールし、アフマダリエフが攻撃を仕掛けても、強力なパンチを着弾させるチャンスをほとんど与えなかった」と称えた。

 井上は試合後の会見で「今日はアフマダリエフに対して、あの戦い方なら100点をつけてもいい」と自身の戦いぶりを満点評価。「判定でも魅せるボクシングができた。満足はしているが、KOもボクシングの醍醐味で大事なこと。どちらにせよ、いいボクシングを見せたい」と話した。

(THE ANSWER編集部)