だから「コンビニごはん」のほうが健康になる…和田秀樹「できるだけ家で料理を作らないほうがいい理由」【2025年3月BEST5】
2025年3月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。食生活部門の第1位は――。
▼第1位 だから「コンビニごはん」のほうが健康になる…和田秀樹「できるだけ家で料理を作らないほうがいい理由」
▼第2位 認知症になるよりよほど不幸である…高齢者の20人に1人が罹患している「最悪の病」を予防する食材の名前
▼第3位 1日に必要な栄養素をイッキにとれる…医師が「合理的でバランスがいい」と勧めるコンビニグルメ"の名前"
▼第4位 「時々食べる」だけでも認知症予防になる…82歳の脳科学者が真っ先に挙げる「日本人が大好きな食べ物」
▼第5位 老化を防ぎ、血圧を下げる…「103歳で大往生」まで元気だった経営者が60歳から毎朝欠かさなかった飲み物
※本稿は、和田秀樹『60歳からの「手抜き」の極意』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。

■脳出血で死ぬ人は、ガンで死ぬ人の10分の1
現在、日本人の死因の1位はガン、5位が肺炎で、6位が誤嚥性肺炎です。これらはすべて免疫力の低い人がかかる病気です。
ストレスなるものがいかに免疫力に悪影響を及ぼしているかは知られたことでしょう。それなのに、なかなかストレスをなくすことができないでいるのではないでしょうか。
嫌なことを我慢してやるとか、苦しいけれどど根性で乗り切るというのは、かなりストレスのかかることです。
死因の2位は心疾患ということになっていますが、心疾患の大部分は心不全です。心不全というのは、なぜ死んだかはっきりわからない人に対してつける死因でもあるので、そのうちの多くは実際のところ「不明」です。隠れた病があったのかもしれません。
実際に急性心筋梗塞で死ぬ人は、ガンで死ぬ人の12分の1しかいないのです。
死因の3位は老衰です。これはいい死に方と誰もが憧れるものです。もっとも、なんらかの病気が隠れていたとしても、80歳以上だと「老衰」になってしまうこともよくあります。
4位は脳血管疾患(脳卒中)です。かつて脳卒中は、死因における堂々の第1位を長年保っていました。脳卒中の中でも、圧倒的に多かったのが脳出血です。
そのため、いまだにみんな脳血管疾患を怖がって塩分を控えたり血圧を下げたりしているのですが、今はすっかり時代が変わっています。
今は、脳卒中の中でも、脳梗塞と脳出血がほぼ2対1と、脳出血は少なくなっています。脳出血で死ぬ人は、ガンで死ぬ人の10分の1くらいしかいないのです。多くの医者はなんと要領の悪い指導をし続けているのだろうかと思うのです。
■我慢やストレスの体への悪さを自分ごとにしていない
血圧を下げる、コレステロールを下げるというのは、脳出血とか虚血性心疾患の予防のためなのですが、少ない確率のもののために、一生懸命に塩分を控え、食べたいものを涙を飲んで我慢して、免疫力を落とした結果、ガンで死ぬ人が増え続けているのが現状なのです。
そんなわけで、世界でほぼ唯一、ガンで死ぬ人が増えてきたというおかしな話になっているのです。
我慢やストレスがいかに体に悪いかということを、ほとんどの人が知識としては知っていながら、自分ごととして考えていないのです。
ど根性主義者になるということは、体にも、精神にも、寿命にも悪いことなのです。
若いうちは、ストレスが積み重なると何が起こるかと言えばうつ病、自殺が圧倒的です。30代くらいまでは自殺が死因のトップを占めています。

ストレスは、若くして死ぬ原因のトップ、年をとってからガンで死ぬ原因のトップになっているのです。だから、できるだけストレスを減らした方がいいよということを私は強く言いたいのです。
会社の人間関係がストレスになっているのなら、転職すればいいではありませんか。昔と違って、転職への理解もずいぶん高まっています。
配偶者がストレスになっているのだったら、さっさと別れればいいと思います。昔に比べると、離婚へのハードルもずいぶん下がっているでしょう。
皆、我慢することがいいことだ、美徳だと思い込みすぎているのです。
■60代からのダイエットは「する方が間違っている」
お酒とタバコは「やめよう」「減らそう」と思いながらなかなかできない人も多いのではないでしょうか。
お酒については、ほどほどの飲酒は歓迎です。楽しく飲んで明るい気持ちになれるのなら素晴らしいことだと思います。けれども、ひとりで飲むのだけは避けた方がいいでしょう。
なぜなら、ひとり酒はネガティブなことを考えてしまうことが多いからです。飲みすぎだと思っても、止めてくれる人もいません。
高齢になってアルコール依存症になる人は少なくありません。外に出かけて、誰かと一緒に楽しい時間を過ごしながら飲むことをおすすめします。
タバコはもちろん吸わないに越したことはないのですが、60歳を過ぎたらもうやめなくてもいいのではないかと私は考えます。
65歳から69歳の老人ホームの入居者を対象に、タバコを吸う人と吸わない人で10年後の死亡率を比べた調査があるのですが、ほとんど差は認められなかったそうです。
肺気腫になって苦しくて仕方ないということがない限り、今になってやめたところで大きな違いはなさそうです。
60代からのダイエットは、「する方が間違っている」と力説します。小太りの方が長生きして健康という報告もあります。太っていると気にしている人の多くは、危険な肥満ではないのです。それより、栄養が摂れていないことの方がずっと健康に悪いのです。
もし、命を縮めてもスリムでいたいというのなら、無理なダイエットをどんどん重ねてください。年をとっても若々しく健康でいたいと考えたら、もはやダイエットなどしている場合ではないのです。
■できるだけ家で料理を作らない方がいい理由
手抜き料理はいい手抜きの例と書きましたが、料理よりもむしろ、私は「手抜きごはん」をしてほしいと思っています。
多くの人は、「自分で料理をして食べる方がいい」と思っているのではないでしょうか。けれども、私は「できるだけ家で作らない方がいい」という考えです。
料理が何よりの趣味という人がおかずたっぷりの食事を用意しているのであれば、それはもちろん素晴らしいことです。育ち盛りの子どもがいた時は、栄養も考えて品数も豊富に料理していた人も多いでしょう。
けれども、子どもが独立して夫婦だけの生活になったり、ひとり暮らしになったりして、それほど料理に力を入れなくなった人も多いのではないかと思います。食べる量も減ったこともあり、わずか数種類の食材ですませてしまうこともあるでしょう。
しかも、いろいろな食材を買ってきてもすべて使い切れるとは限らないので、毎日のように同じ食材を使うことにもなりかねません。好きなものはだいたい決まっているので、いつも同じような変わり映えのしないメニューになってしまいがちです。
そうやって食べるものが偏ってしまうより、外でおいしそうな弁当を買ってきて食べた方が、いろいろなものを食べることができてよほど体にいいのです。
■コンビニ上等の手抜きごはんで健康に
今はコンビニのお弁当も本当においしくなりました。スーパーでもお惣菜屋さんでも、趣向を凝らしたメニューがたくさんあります。幕の内弁当のように、なるべく多くの食材を使ったものを選ぶようにしましょう。

私も近所のコンビニやお惣菜屋さんにはよく立ち寄ります。弁当にもいろいろなおかずが並んでいるのに、小さなパックの惣菜が並んでいるのをみるとついつい欲しくなってちょこちょこと買ってしまいます。
そうやって、その時体が欲するものをあれこれ食べるのがいいとされています。
いつも同じ店ではなく、日替わりでいろいろな店に寄って、品目の多い弁当を買えば、飽きることもなくいろいろな栄養を摂取することができます。
外に買いに行かない日は、冷凍食品も積極的に利用するといいでしょう。ワンプレートにいろいろ詰め合わせたおいしいお惣菜も増えています。
いつも同じもの、好きなものばかりではなく、いろいろなものを食べるのがいちばんです。そのために、いい手抜きをするべきです。
マクドナルドのハンバーガーをおいしく食べるのももちろんいいことです。宅配ピザやラーメンを食べるのもいいでしょう。けれども、そればかりを続けないようにしましょう。
今は、どこにも安くておいしいものがたくさんあります。あれがいけない、これがいけないと考えすぎず、なるべく多くの種類のものをおいしく食べるのが体にいいのです。
(初公開日:2025年3月2日)
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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。
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(精神科医 和田 秀樹)
