「岡山をJ1に定着させる」と意気込む江坂。写真:滝川敏之

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 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第49回は、本企画に2度目の登場となるファジアーノ岡山のMF江坂任だ。

 2015年にザスパクサツ群馬(現:ザスパ群馬)でプロキャリアをスタートさせて、大宮アルディージャ(現:RB大宮アルディージャ)、柏レイソル、浦和レッズとJクラブを渡り歩いた。その後、22年末には韓国の蔚山HDに移籍して2シーズンプレー。チームのリーグ連覇にも貢献した。

 そして今季から岡山に加入し、3シーズンぶりにJの舞台に帰ってきた。経験豊富な32歳が日本への復帰を決断した理由を明かした。

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 日本に帰ってくるタイミングで新たなチャレンジをしたいと考えていました。そのなかで初めてJ1に挑戦する岡山からオファーをいただき、自分もともに戦いたいと思いました。強化部長には攻撃的な選手として高く評価していただけていましたし、昨シーズン少なかったチームのゴール数を増やしてほしいと言われ、その役割を担いたいという気持ちになりました。

 背番号に8番を選んだ理由は特にないです(笑)。クラブから提示された番号の中で、1番若い番号が8で、これまでつけたことがなかったので、いいかなという感じです。スタジアムや街で岡山の8番のユニホームをよく見かけるようになればいいですね。
 
 岡山とは僕がJ2でプレーしていた時に対戦した経験があって、ファン・サポーターが熱く、多くの方がスタジアムに来ているなという印象が当時からありました。クラブには加入前からアットホームなイメージを持っていましたが、実際に入ってみても、やはりそのとおりでしたし、ファンの方は僕に大きな期待を抱いてくれていて、それは開幕戦をホームで戦った時にも肌で感じられました。

 その開幕戦の京都(サンガF.C.)戦(2−0)は、岡山にとって、歴史的なJ1での初めての試合でした。J1での経験がない選手も多かったなかで、固いゲームになってしまいましたが、全員で守る部分はできていましたし、勝つことが一番求められていたので、しっかりと白星を掴めたのは良かったです。

 自分のパフォーマンスはまだまだですね。チームが劣勢だったのもありますが、守備の時間が長かったですし、ボールに触る機会も少なかったです。ただ、そのなかでも2点目の起点になれましたし、味方が決めていればアシストになったプレーもあったので、最低限のことはできたかなと思います。でも、もっとボールを収めたり、落ち着かせたりできないといけないなとは感じています。

 木山(隆之)監督からは、後ろと前をリンクすることと、やっぱりゴールやアシスト、開幕戦の2点目のように得点に繋がるプレーを求められています。そこはしっかりと応えたいですし、年齢が上のほうになってきたので、みんなが同じ方向を向いて、まとまれるような声かけや振る舞いもしていきたいです。

 岡山をJ1に定着させるつもりです。そして、個人としては2年間、韓国でプレーして得たものを日本でしっかりと表現したいと思っています。
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 22年の12月、当時30歳にして初の海外挑戦を決断し、韓国のKリーグへ活躍の場を移した。2シーズン過ごした蔚山HDでは2年連続でリーグ優勝に貢献しており、チームは3連覇を果たした。異国の地でタフな環境の中で揉まれ、自身の成長を実感しているようだ。

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 韓国への移籍を決断したのも、新たな挑戦がしたかったというのが理由でした。アジアではありますが、日本から出て、慣れ親しんだ場所ではないところでプレーしてみたい気持ちがありました。もちろん、ヨーロッパに行ければベストでしたが、年齢的にも難しい部分がありましたし、そのなかで海外に行くならと考えて選びました。

 Kリーグのチャンピオンであるクラブから高く評価してもらえて、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)に出られるのも大きかったです。

 蔚山には僕が行く前にも日本人選手が何人か在籍していたので、日本人に対して良い印象を持ってくれていましたが、隣の国とはいえ、外国人としてチームに加わる難しさはあったので、人としても成長できたと思います。

 1番に意識したのは、韓国のサッカースタイルを受け入れることです。Kリーグはテクニカルというよりはフィジカルを重視したサッカーで、行った当初は日本との違いに多少の戸惑いがありましたが、ホン・ミョンボ監督(現・韓国代表監督)からは、まずはファイトするところだと言われていました。
 
 相手とコンタクトせずに良いポジションを取って、ボールを受けられたらベストですが、日本でプレーしている時みたいに良いパスが入ってくるわけではありません。足もとで繋ぐというよりは、アバウトな浮き球が多いなかで、やはりフィジカル的に戦わなければいけない部分は多かったので、タフになれたと思います。

 めちゃくちゃ筋トレをしたということはないですが、普段のトレーニングからボディコンタクトや球際のバトルは求められますし、それができないと試合にも出られません。

 そのなかで上手く適応しつつも、自分の特長を出すことを考えて、来たチャンスをものにすることや、違いを見せるといったところは2年間でできたと感じています。

 日韓の大きなスタイルの違いは、日本はいろんな人が繋がっているサッカーですが、韓国はどちらかと言えば1対1の局面が多いです。向こうでプレーしてみて、改めて日本人はどのポジションの選手を見てもみんな技術的にレベルが高いなと思いました。

 一方で最近のJリーグではヴィッセル神戸がリーグ連覇したり、FC町田ゼルビアが上位に食い込んだりと、プレー強度の高いチームが好成績を残しているので、テクニックだけではなく、フィジカルやインテンシティの部分も求められるようになってきている気がします。これから、そのようなチームとの対戦できるのが楽しみです。

※後編に続く。次回は2月28日に公開予定です。

取材・構成●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)