「人として最低限のルールさえ…」なぜ『脳外科医 竹田くん』モデルは医師を続けられるのか? 吹田徳洲会病院の院長が語った「驚愕の言い分」

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医療界を震撼させている『脳外科医 竹田くん』。そのモデルとなった脳外科医A氏は現在、大阪府の吹田徳洲会病院の救急部門に勤務しており、そこでも「デタラメな診療」を連発しているという。

【「指に針を突き刺して…」決死の内部告発!『脳外科医 竹田くん』のモデル医師が大阪で「デタラメ診療」連発、病院は大混乱】に続いて、その恐るべき実態と、勤務先病院幹部の直撃取材をお伝えする。

「職員アンケート」の結果

昨年の間には、A医師の行状、さらに彼が『脳外科医 竹田くん』のモデルとなった医師であることは院内に知れ渡っていた。同時期、有志が職員アンケートを実施して院長に提出したほか、A医師の懲戒や退職を求める声も上がっている。

〈各患者の把握が全くできていない〉

〈何度も意見したり報告書を提出してますが、何も状況変わらない〉

〈カリウムの急速投与未遂やスタッフへの針刺し事故など今までの医師とは明らかに違う。患者の安全だけでなく、スタッフの安全も脅かされる〉

紙幅の都合で書ききれないが、A医師が招いた深刻なトラブルについて、半年あまりで30件以上の報告書が作成された。

「A先生の下にいれば、いずれ重大な医療事故が起こる。そのとき、責任を取らされるのは看護師や救急救命士といった現場スタッフです。資格を剥奪されるかもしれない不安から、すでに別の病院へ移った同僚もいます。

なにより、何も知らずに搬送され、A先生の診察や処置を受ける患者さんに申し訳ない。徳洲会を愛する職員として、一刻も早く出ていってほしい」(前編記事冒頭のスタッフ)

なぜか幹部は「全力で擁護」

メチャクチャなのは、診察や治療だけではなかった。救急医であるにもかかわらず、A医師は着任直後から毎日のように遅刻し、電話をかけても出ない。朝8時から勤務開始のところ、平気で9時過ぎに出勤し、患者情報の引き継ぎもままならないことが多発した。

ひどいことに、院内で酒まで飲んでいたようだ。

「仮眠室をA先生が使ったあと、ウイスキーの瓶やチューハイの空き缶が置きっ放しになっている。出勤するとすぐ仮眠室へこもり、トイレの個室でタバコを吸い、定時の19時より早く患者を放り出して帰宅してしまう。人として最低限のルールさえ守れないのです」(同前)

なぜ吹田徳洲会病院は、A医師を雇い続けるのか。キーパーソンと目されるのが、病院の顧問で救急部門長を務めるM医師だ。「日本の救急救命医療の第一人者」と言われる名医で、ある参議院議員の父でもある。

実はM医師は、以前A医師が勤めていた医誠会病院の元院長で、昨年に吹田徳洲会病院へ移った。

「M顧問がA先生を連れてきたことは、院内では公然の秘密です。顧問には多くのスタッフが問題を直接訴えていますが、強く咎める様子もない。あげく、院長が朝礼で『みんなでA先生を支えましょう』などと言い出す始末。なぜか病院の上層部は、総出で彼を守ろうとしているのです」(同前)

「本当に卑怯だ。失礼だ」

4月下旬の某日夜、帰宅したM医師を直撃すると、憤りつつこう語った。

「あなた(記者)の見解は結論ありきになってしまっている。彼がそんなに飛び抜けた(悪い)存在か、という疑念もあっていいと思うんだよね。こういう待ち伏せ的な取材は、僕はやられたくないんだ。本当に卑怯だと思う。本当に失礼だ」

また、吹田徳洲会病院に取材を申し込んだところ、高橋俊樹院長が自らこう答えた。

「A医師の赤穂市民病院でのトラブルは、採用時にM顧問から報告を受けていました。昨年3月に面接した際、彼自身も説明してくれた。汗をかきつつ必死に話す彼の言葉を聞くと、患者さんへの謝罪の気持ちと、手術への熱意が感じられました。

今は、侵襲がない治療だけを担当する立場で、常にM顧問や私の指導が入る状態で勤務させています。ご指摘のミスは、医師なら誰でも判断に迷うようなもので、彼の責任とはいえません。

たしかに遅刻喫煙については、なかなか改善されなかったため、この3月にスタッフを集めた説明会を開き、その場で私が叱責しました。ですがA医師は今、一人前に成長しつつあります。われわれには彼を教育する使命があります」

取り返しのつかないことになる前に、一刻も早く対策を講じるべきだ。

週刊現代」2024年5月11日号より

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