山下美夢有がダブル受賞に向けてひた走る(撮影:GettyImages)

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昨シーズンまで選手の明確な強さ、そして翌年のシードに至るまでツアーの最重要基準となっていたのが獲得賞金額、すなわち賞金ランキングだった。その頂点である『賞金女王』の座を目指して熱き戦いが行われてきたわけだが、今年からは大きく変わる。賞金女王に与えられていた複数年シード、上位選手に与えられていた各種出場権、さらにはシード争いに至るまですべてが『メルセデス・ランキング』(以下MR)が基準となったからだ。
これにより賞金女王はあくまで“名誉職”になり、今後はメルセデス・ランキング1位のJLPGA Mercedes-Benz Player of the Year(年間最優秀選手賞、以下年間女王)が最高名誉となる。これまで年間女王は3年の複数年シードだったが、今シーズンからは1年多く4年付与されることとなった。
そもそも、なぜ賞金ではなくポイントになったのか。それは大会ごとに賞金差が生まれていくなかで『総合的な活躍度』を評価するためだ。3日間大会<4日間大会<国内メジャー<海外メジャーと賞金額ではなく大会規模によって一律でポイントが定められている。特に賞金と違うのはこれまで加算されていなかった海外メジャーの成績も加味されているということ。しかもその配分は大きく、国内メジャーの2倍。小林浩美会長が掲げる「世界で通用する選手」を排出するための変更ともいえそうだ。
この変更を侮るなかれ。意外と賞金ランキング1位とメルセデス・ランキング1位(今季とは評価基準が多少異なるが)は合致しないのだ。両ランキングで1位を獲ったのは2017年の鈴木愛までさかのぼる。昨年の稲見萌寧と古江彩佳のように、過去3シーズンは賞金女王が“年間女王”に輝いていないのである。
現在トップに立つのは山下美夢有。今季ここまでツアー3勝と2位の西郷真央と比べて勝利数は少ないが、国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で優勝し、最多となる18回のトップ10入りという安定した成績で首位を快走している。ちなみに山下は賞金ランキングも1位。5年ぶりのダブル受賞も十分にあり得るほどの活躍を見せている。
2位の西郷真央は5勝(内4日間大会で3勝)、そして海外メジャーの「アムンディ エビアン・チャンピオンシップ」で3位に入るなどポイントを稼いでいるが、トップ10回数はツアー7位の11回。安定感の部分で山下に後塵を拝すかたちとなっている。
3位・稲見、4位・西村優菜、5位・勝みなみと年間複数回優勝者が上位を占めるなか、特筆すべきは6位の吉田優利。今季は未勝利ながらも2位が4度あり、年間トップ10回数は山下に次ぐ17回。まさに『年間を通じての総合的な活躍度』を評価されたかたちとなった。
まだ4日間大会は3試合残されており、うち1試合は国内メジャー。まだまだ逆転の余地はある。このまま山下が逃げ切るのか、別の選手が逆転するのか。最後まで目が離せない戦いとなりそうだ。
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