阪神・矢野監督(写真:アフロスポーツ)

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プロ野球楽天の元監督で野球解説者の田尾安志氏(68)が2022年5月26日にユーチューブチャンネルを更新し、同日に甲子園球場で行われた阪神対楽天戦を解説し、阪神・矢野燿大監督(53)の采配を疑問視した。

「ここは1塁ランナーの代走が必要」

試合は阪神、楽天両先発が好投し8回を終えて0−0の展開。9回に阪神4番手・岩崎優投手(30)が2死1、3塁のピンチで銀次内野手(34)にタイムリーを許し1点を失った。その裏の攻撃では楽天の守護神・松井裕樹投手(26)に三者三振で接戦を落とした。

田尾氏が指摘したのは0−0で迎えた8回の攻撃。1死から長坂拳弥捕手(28)がレフト前ヒットで出塁し、代打・北條史也内野手(27)が送りバントを決め2死2塁。このチャンスに近本光司外野手(27)がレフト前にヒットを放ち2塁走者・長坂がホームを狙うもタッチアウトとなった。

田尾氏は「ここは1塁ランナーの代走が必要ですよね。代走を置かないといけない。だけど代走を使わなかった」と矢野監督の采配に首を傾げ、「これが結局致命傷になってしまった」との持論を展開した。

また、田尾氏は矢野監督が代走に踏み切れなかった理由のひとつにこの日、長坂が盗塁を2つ阻止したことを挙げ、「今のタイガーズ、これだけ借金十幾つもしているチームはどんどん攻めないといけない。そういうポジションにあると思う。守りに入ったらいけない」と指摘した。

「結果論ではなくあまりにも消極的過ぎた」

さらに近本の打球を処理したレフト西川遥輝(30)の守備に触れ、「取った時のレフトの姿勢は決して前傾ではなかった。一瞬重心がちょっと後ろにかかってそれから送球した。普通に足の速いランナーだったら絶対にホームセーフになるというそういうタイミングだった」とし、「あそこが代走だったら1点入っていたと思います」との見解を示した。

交流戦開幕カードを負け越し、5月26日時点で18勝31敗1分けの勝率.367。5位DeNAに4ゲーム差を付けられリーグ最下位に沈み自力優勝消滅の危機にある。27日のロッテ戦では佐々木朗希投手(20)と対戦する。

田尾氏は「終わってみたら代走、あそこを出さないのは考えられない」と改めて8回の好機を振り返り、「ここはベンチがもっともっと攻めていかなくてはいけない。結果論ではなくあまりにも消極的過ぎた」と私見を述べた。