2020年12月10日に、国際的なクレジットカードブランドであるMastercardとVisaが、カナダのポルノムービー共有サイト・Pornhubに対する決済処理を停止したと発表しました。両社は、12月4日にアメリカの大手新聞社であるニューヨーク・タイムズが「Pornhubには児童ポルノやリベンジポルノが多数投稿され、そこから収益を得ている」と報じたのを受けて、Pornhubに対する独自調査を実施していました。

Mastercard, Visa Halt Acceptance of Their Cards on Pornhub - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-12-10/mastercard-to-cut-pornhub-ties-after-finding-illegal-content

Visa and Mastercard Will Stop Processing Payments to Pornhub

https://www.vice.com/en/article/7k94be/mastercard-will-stop-processing-payments-to-pornhub

Pornhubは12月9日に、児童ポルノなどの違法なコンテンツを排除することを目的とした利用規約の改訂を行い、「未承認ユーザーのアップロードを禁止しダウンロード機能も停止する」と発表しました。この決定には、ニューヨーク・タイムズが「Pornhubには児童ポルノなどの違法コンテンツが投稿されている」と大々的に報じたことが影響していると見られています。

Pornhubによる利用規約変更の詳細や経緯については、以下の記事に詳しく書かれています。

世界最大のポルノサイト「Pornhub」が未承認ユーザーのアップロードを禁止&ダウンロード機能も停止すると発表 - GIGAZINE



Pornhubの違法コンテンツ疑惑に関する報道を受けて、MastercardとVisaは12月7日に、Pornhubの運営会社であるMindGeekに対する財務調査を実施すると発表。同社が違法コンテンツに関与しているかどうかや、クレジット決済の受け入れ基準を満たしているかなどに関する調査を進めていました。

調査の結果を受けて、Mastercardは12月10日に「ここ数日間に行われたPornhubへの調査により、違法コンテンツを禁止する当社の基準への違反が認められました。これにより、同サイトでのカード利用を完全に終了させることになりました」と発表しました。

Pornhubに違法コンテンツがあることを指摘したニューヨーク・タイムズの記者であるニコラス・クリストフ氏は、「Mastercardは、Pornhubに違法なコンテンツがあることを確認したので、Pornhubへのサービスを直ちに終了させると発表しました。また、他のサイトでも問題に対処するとしています。違法コンテンツの犠牲となった人が勇敢に声をあげなければ、このようなことは起きなかったでしょう」と述べました。



また、連邦議会のジョシュ・ホーリー上院議員も、「MastercardはPornhubでのカード決済を完全に終わらせてくれました。Visaなどの他のクレジットカード会社もこれに倣うべきです」と述べて、Mastercardの対応を称賛しています。



Mastercardの発表に続き、Visaも「違法行為の疑惑があることを踏まえ、当社は現在実施中の調査が完了するまでPornhubからの決済の受け入れを停止します。これに伴い、MindGeekにサービスを提供している金融機関に対し、Visaネットワークを介した支払いの処理を一時停止するよう指示しました」と発表しています。



PornhubはMastercardらの対応について、「非常に残念です。このニュースは、Pornhubで生計を立てている何十万ものモデルたちにとっても壊滅的な打撃です」とコメントしました。

また、IT系ニュースメディアMotherboardは、2019年11月にPayPalが突然Pornhubへの対応を打ち切ったことを念頭に、「支払処理業者がPornhubとの連携を停止したのはこれが初めてではありません。Pornhubでは、大手ポルノ制作会社だけでなく個人ユーザーも自分のムービーを収益化しています。現時点では、クレジットカード会社の対応がこうした個人ユーザーに与える影響は定かではありませんが、支払処理業者は何年も前から性産業に従事するセックスワーカーを差別してきました」と指摘しました。