「シェル」の看板が消える(	daniel huangさん撮影、Wikimedia Commonsより。編集部で一部加工)

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日本でも長年にわたり親しまれた貝殻マークのシェルのガソリンスタンドが、国内から姿を消すことになる。

旧昭和シェル石油と2019年4月に経営統合した出光興産は、出光とシェルに分かれている現行のガソリンスタンドのブランドを2021年4月から「apollostation(アポロステーション)」に統一することになった。

「アポロ」に統一

出光興産は旧昭和シェルとの経営統合後も正式名称は出光興産で変わらないが、CMなどでは「トレードネーム」として「出光昭和シェル」を名乗っている。

出光はギリシャ・ローマ神話の太陽神「アポロ」をモチーフとする赤いアポロマーク、シェルは黄色の貝殻マークのガソリンスタンドで親しまれてきた。このため出光昭和シェルを名乗っても、ユーザーとしては両社が経営統合したという実感は乏しかった。

しかし今回、出光興産は「2019年4月に統合新社が誕生して以来、一連の経営統合プロセスに目処がついた」として、7月にコーポレートブランドを新たなアポロマークと小文字の「idemitsu」に刷新した。

さらに出光興産は既存の出光とシェルの両ブランドのカードの相互乗り入れが可能となるよう手続きを進めている。それが完了する2021年4月から全面的にスタンドをアポロステーションに統一するのだという。

国内でシェルのガソリンスタンドがなくなることは、日本市場で外資系の石油元売りが展開する有名ガソリンスタンドが消滅することを意味する。

外資系の「復活」は、もはや...

かつて国内には欧州系のシェルのほか、米国系のエッソやモービルといった有名ブランドのガソリンスタンドが存在した。

しかし、1999年に本国の米国でエクソンとモービルが合併したことから、日本でもエッソ石油とモービル石油が2002年に合併してエクソンモービル(日本法人)となった。

その後、エクソンモービルグループは東燃ゼネラルグループを経て、2017年にJXTGエネルギー(当時)となり、現在はENEOS(エネオス)ホールディングスとなっている。

1980年代に20社近くあった日本の石油元売りは、1990年代から2000年代にかけて再編が進み、現在はエネオスHD、出光興産、コスモ石油、キグナス石油、太陽石油の5社に集約された。

出光興産は経営統合に当たり、大株主だった英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル石油の株式を取得している。国内のガソリンスタンドを出光ブランドに統一することで、シェルの看板や商品は名実ともに国内から消えることになる。

国内のガソリンの需要は2004年度の6148万キロリットルをピークに毎年減り続けており、石油元売りも生き残りに必死だ。もはや日本にシェルやモービルなど外資系のガソリンスタンドが復活することはないだろう。