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クルマのデザインはホイールで決まる

ホイールは、クルマのデザインの中で最も重要な要素と言えるだろう。

ホイールはクルマにアイデンティティーを与え、単にハンサムなだけのデザインと、輝きを放つ魅力的なデザインとの違いを生み出す。

ダットサン240Z

ホイールのデザインの中には、装着しているクルマを超えて、それ自体がデザインアイコンになっているものもある。

では、その中からベストなデザインをいくつかご紹介しよう。

トップ10は一概には言えないが、ここでは、自動車の世界に足跡を残したデザインの中から、見慣れたものから奇抜なものまで、様々なデザインをご紹介する。

1. ダットサンのスロットデザイン

1960年代に軽量マグネシウム製のレーシングホイールとして考案されたスロットデザイン。

従来の5本スポークホイールに、特徴的な形状のスロットホールを備えている。

ダットサンのスロットマグ

「スロット」は、動くものなら何でも装着できる後付けホイールの1つだった。デザインのシンプルさと、あらゆる直径・幅で利用できることが普及を助けた。

何十社もの会社がこのデザインをコピーし、過去60年以上にわたって数え切れないほどのクルマ愛好家に「スロット」を提供してきた。

標準装備ではないが、ダットサンは標準のスチールホイールとハブキャップに加えて、アロイオプションとして「Z」にもスロットデザインを設定した。

それ以来、多くのオーナーがこのスロットデザインにアップグレードし、一瞬にしてかっこよさを10倍に飛躍させた。

2. ギブリのカンパニョーロ

ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした、マセラティ・ギブリが初めて登場したのは1966年のことだ。

彼は驚くほど美しい作品を生み出しただけでなく、同時に印象的なホイールデザインを世界に見せつけた。

マセラッティ・ギブリ

高価なカンパニョーロ製ではあったが、その値段にふさわしい特別な美しさを持っていた。

このマグネシウムホイールは、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティなど、イタリアの多くのメーカーが所有していた。

合金よりも軽くて強度があり、美しさと実用性の両方を兼ね備えている。

3. アストン マーティンDB5のワイヤーホイール

ワイヤーホイールがなければ、英国の自動車メーカーの多くは今ほど有名になっていなかったかもしれない。

ワイヤーホイールは、地味なMGから超セクシーなDB5まで、あらゆるクルマに「スポーティ」を付け加えた。

アストン マーティンDB5

1802年、GFバウアーは世界初のワイヤーテンションスポークのデザインで特許を取得した。彼のアイデアが世界中のレーサーに採用され、パフォーマンスを向上させているのを見たら、彼はきっと感激したことだろう。

軽さと革新的なノックオフ式センターナット締結により、わずか数分での高速ホイール交換が可能となった。

何より、ジェームズ・ボンドのアストン マーティンDB5を飾るワイヤーホイールほどクールに見えるものはない。

しかし、007はホイールを掃除するたびに、この複雑なデザインに飽き飽きしていたことだろう。

4. フォードの4本スポーク

もしあなたが幸運にも1970年代のフォードを持っているならば、4本スポークのアロイホイールを装着している可能性が高い。

標準的なスチールホイールよりもクールなだけでなく、強度と軽さという利点があり、エスコート、フィエスタ、カプリなどによく似合っている。

フォードの4本スポーク

元々はメキシコ向けのエスコート用に作られた4本スポーク。

スポークにメーカー名が刻印されているだけでなく、サイズや製造日も記載されている。便利な仕様だ。

GKN製の初期モデルはプロポーションがよく、細いスポークを採用していることから、後期のフォード製のものと区別しやすい。

5. ランチア・インテグラーレのクロモドラ

ランチア・デルタ・インテグラーレは、80年代のスクエアなスタイリングと同時に、とても味わい深いホイールを備えている。

当時のイタリア車のマルチスポークを生み出したのはクロモドラ社だ。

ランチア・インテグラーレ

クロモドラ社はランチア、フィアット、フェラーリ、BMWなど、数多くのメーカーでホイールデザインを手掛けていた。

爆走するラリーカーと同じように、見る者を驚かせるマルチスポークデザインは、曲線と直線をエレガントにミックスさせている。

6. VWゴルフGTIのピレリPスロット

VWゴルフGTIの初代Mk1が、ピレリのPスロットアロイ以外のものを履いていると想像できるだろうか?

これ見よがしなピレリのロゴ(P)と、ドイツ製ハッチバックのシャープなラインが非常にうまく調和している。

VWゴルフGTI ピレリ

キャンペーンモデル用のホイールとして考案されたが、あえてこのホイールを選んだGTIのオーナーにより、世間のイメージが定着した。

愛好家は、「P」スロット間の幅にこだわる。初期の14インチホイールではスロット間の幅が7mm。後期のMk2 GTIでは10mmとなっている。

彼らいわく、初期の7mmの方がよりエレガントであるという。

いずれにしても、ホットハッチとしては最高にクールなホイールだ。

7. ランボルギーニ・カウンタック

自動車業界がこれまでに生み出した中で最もインパクトのあるデザインの1つ。圧倒的だ。

1974年、初代ランボルギーニ・カウンタックが初めて姿を現した時、まるでエイリアンが乗る宇宙船が地上に降り立ったように感じられた。

ランボルギーニ・カウンタック

そして、その宇宙船には、見る者の目を奪うホイールが装着されていた。

ピレリP7の345/35 VR15という分厚いゴムに包まれたテレダイヤル式のアロイホイールは、この上なくカウンタックにマッチしている。

この組み合わせがあったからこそ、ランボルギーニ・カウンタックは人々の記憶に色濃く残り続けているのだろう。

8. ミニライト

ジョン・フォードとデレク・パワーが1962年に初めてミニライトのデザインを考案した。彼らはその小さな10インチホイールが、60年近く経った今でも生産されているとは思いもしないだろう。

新型オースティン・ミニを競技車両のヒーローにしたいという思いから生まれたこの革命的な超軽量マグネシウムホイールは、1960年代には全レーシングミニに装着されていた。

ヒルマン・アベンジャー・タイガーに装着されたミニライト

マグネシウムホイールは高価で短命とみなされたため、現在はアルミニウム製のものが使用されている。

スポークの形状を工夫し、ブレーキに空気を流してディスクを冷却する機能を持っている。

レーシングミニにも、写真のような荒々しいヒルマン・アベンジャー・タイガーにもよく似合う。

時代を超越したデザインで、多くのクルマに装着されている素晴らしいホイールだ。

9. ルノー18ターボ

ルノー18ターボは、率直に言って、醜いアヒルの子だった。

しかし、1981年に初めて登場した時には、1.6Lの4気筒エンジンにギャレット製T3ターボチャージャーを組み合わせたスポーツセダンとして注目を浴びた。

ルノー18ターボ

そして、このホイールだ。

クルマ本体は低価格仕様とほとんど同じに見えたが、ホイールだけは輝いていた。

ルノーのホイール部門は、直線のみで構成されたデザインで、1980年代当時の「未来感」を見事に表現した。

ルノー本社の責任者は誰であろうと、ホイール部門は天才的だった。

10. ランチア・ストラトス

マルチェロ・ガンディーニの傑作。

マツダ・ロードスターよりも短いホイールベースに、フェラーリ製2.4L V6エンジンをミッドマウント搭載したこのクルマには、そのパフォーマンスに見合った素晴らしいホイールが必要だった。

ランチア・ストラトス

このゴールドにペイントされたカンパニョーロ製マグネシウムホイールは、まさにその条件を満たしていた。

特徴的な形状から「コフィン・スポーク(棺桶スポーク)」と呼ばれることもある。

イタリアン・スタイルの中にアグレッシブさを融合させたこのデザインは、すべてのスポークから特別感がにじみ出ている。

まとめ

印象的な10のホイールをご紹介した。

どれも記憶に残る個性的なデザインばかりで、こんなホイールを履けるクルマになりたいと思えるほどだ。

「おしゃれは足元から」とよく言われるが、クルマにも全く同じことが言える。

ホイールとボディのデザインが見事にマッチしたクルマは、じっくり鑑賞する価値がある。

これからは、もっとホイールに注目しながらクルマを見てみよう。