エンジン内部の摩耗によってオイルが減る

  エンジンオイルというのは、エンジンにとって血液のようなものと言われるほど重要。潤滑だけでなく、洗浄や冷却など、さまざまな役割がある。それだけに普段からの管理が重要なのだが、じつはオイルというのは減るものなのだ。理由はいくつかあって、今回はそれらをまとめてみた。

  減ると言っても燃料みたいに減ることはないが、原因によってはけっこうなペースで減ることがある。まず大きな理由として挙げられるのが、エンジン内部の摩耗。とくにピストンとシリンダーの摩耗は影響が大きく、クリアランスが大きいと燃焼室に入り込んで燃える量が増えるため減りも早くなる。これがオイル上がりで、バルブまわりが摩耗するとオイル下がりを起こし、同じようにオイルの減りは早くなる。

少しずつだが蒸発もする!

  エンジンによって減る量はさまざまだが、正常なレベルでも1万kmで1リットル減る場合もあるし、摩耗してくると3000kmで1リットル減ることもある。いずれにしても、新品のエンジンでも完璧に気密性を保つのは無理なだけに、多かれ少なかれ減りはする。

  またオイル自体も蒸発する。オイルのスペックを見ると、蒸発についての項目もあるほど。ただし、水のようにどんどん蒸発するという感じではないので、これについてはあまり気にしなくてもいいだろう。

  そのほか、オイルシールやガスケットの劣化による漏れもあるし、最近のオイルの超低粘度化は、シリンダーに入り込んで燃えるという点では不利となる。

  乗り方にもじつは関係があって、高回転まで多用したり、高速を走り続けるとオイルは減りやすい。

  いずれにしてもマメに交換していれば、減る前に新品が適量入れられるので問題はない。ただ最近は交換サイクルも伸びているので、1万km以上交換しない場合は、途中でディプスティックを抜いて、量を見ておいたほうがいいだろう。