サンパウロのジャパンハウスでのイベントで元ブラジル代表のサンパイオと再会。日本では、横浜フリューゲルスのほか、柏レイソル、サンフレッチェ広島で活躍した。

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 日本のメンバーを見れば誰でも分かるであろう。決して日本サッカーのトップ・オブ・トップを集めたベストメンバーではない。
 
 しかし2020年東京オリンピックに向けてどのようなメンバーが組まれているか? 23歳以下の選手がブラジルで行なわれるコパ・アメリカとフランス・トゥーロンで開催されたトゥーロン国際大会に2チームの代表を構成し、このコパ・アメリカにはオーバーエイジに該当する選手がGKを含め5人選出されている。
 
 仮想オリンピック。
 
 本番の準備としては贅沢過ぎるシチュエーションだ。まさに、日本のサッカー発展に繋がる大事な時期の代表マッチなのである。
 
 もちろん本音を言えば、南米選手権、本気の南米相手にセカンドチームでと言いたくなるが、彼らは負けに来たわけではない。本気の南米列強を相手にどれだけ通用するのかを見極めるべく、しっかりと準備をして初戦の試合に臨む。
 
 トゥーロンの決勝進出のニュースから決勝のブラジル戦の結果をサンパウロで聞いた。コパ・アメリカ代表メンバーも、選手のみならずスタッフも含め、きっとこの大会での「サプライズ」を意識しない訳がない。
 
 僕自身も、23歳以下の選手が何人もいるコパ・アメリカの日本代表が負けても良いと思う訳はなく、日本サッカーの強さ、日本らしさをここで示してほしいと思っているし、日本代表ファミリーのモチベーションの高さはサンパウロで直接会った時にもひしひしと感じ取れた。
 
 開幕戦では、ブラジルがボリビアに3-0の圧勝。ただ点差では圧勝だが、内容は紙一重。VARに救われた初戦の勝利であった。アルゼンチンはコロンビアを相手に0-2で初戦を落とし、南米の層の厚さ、強さを感じた。
 
 日本の初戦は、大会2連覇中のチリである。どちらかと言うと、コパ・アメリカへのこだわりが薄いブラジルやアルゼンチンに比べて、チリやコロンビアといった国々に本気モードを感じる。
 
 コロンビアの勝利はアルゼンチンが悪いというよりはコロンビアが良いと感じた。日本が戦うチリ、ウルグアイ、エクアドルも間違いなく真剣に戦ってくるであろう。
 
 日本は2020年東京オリンピックに向けて1試合でも多く、本気の南米国と試合をやり、経験を積みながら世界へのアピールを続けていきたいであろう。
 
 一方、トゥーロン国際での日本の評価はどうか。戦ったブラジル選手はもちろん、サッカー王国ブラジルの国民も驚きだと評している。
 
 U-20ワールドカップ、女子ワールドカップ、そしてトゥーロン国際大会と、日本のサッカーは間違いなく世界に発信、アピールし続けている。
 
 この流れをコパ・アメリカで止めてはいけない。僕はたまたまこの時期にブラジルにいることができている。
 
 ここ何十年も近く、海外のサッカーを生で、現地で見ていなかった。南アフリカ、ブラジル、ロシアと、ここ3大会のワールドカップも現地へ行くことはなかった。
 
 友人のブラジル人が言った。「グループステージを突破すればブラジルと当たる。ブラジルには勝てるよ」と半分冗談のような言い方をしていた。しかし、日本がグループステージを突破すれば、これはサプライズだ。
 
 プロの世界は勝負の世界だ。勝つか負けるかは大事だ。結果は問われる。しかし、今回のメンバーはそんなことは気にしないで勝利を信じて戦うべきだ。結果を恐れてはいけない。
 
 一人ひとりが怖がらず、南米選手の前で自分のプレーをできるか? 状況判断、止めて・蹴る、が普段通り出来るかだ。僕が19、20歳の頃、この環境でできるかな? と思い浮かべつつスタンドから試合を見ていた。
 
 あのモロンビに立って走るだけでも目が回りそうだった。そんな環境の中で若い日本代表が普段通りにプレーできれば、これは東京オリンピックにもつながるはずだ。
 
 今日、サンパウロのジャパンハウスで田嶋幸三会長が出演するトークイベントに招待され、田嶋会長の話を聞いてきた。一生に一度(田嶋会長自身は、64年を経験して2回目だと言っていた)あるかないかの東京オリンピック。
 
「優勝を狙う!」と意気込みも高かった。今後の日本サッカー界にとって大事な時間だ。ひとつになって戦うべきだ。
 
「馬主が自分の馬を信じなくなってはいけない」
 
 自分たちの日本代表を自慢できるようにコパ・アメリカを現地で見守りたい。そして、明日は現地で観戦できることになった。
 
 日本代表ファミリーとして一緒に戦いたい。
 
2019年6月16日
三浦泰年