死人の目玉で虹彩認証、AIで99%阻止。ポーランドの大学が研究成果を発表
虹彩は、眼球の角膜と水晶体の間にある薄い膜のこと。一人ずつ違った特徴があり、指紋よりも理想的な条件を満たしている(体内にあって何重にも保護され、一卵性双生児でも模様が異なるなど)事情もあり、「虹彩認証」はスマートフォンのロック解除や空港での入国管理に採用されつつあります。
そして生者および死者の虹彩の撮影には、どちらも同じ虹彩カメラを使い、カメラ特性の違いにより機械学習アルゴリズムが影響されるのを避けたとしています。
さらに死体のまぶたは金属製の開創器により開かせており、このままでは機械学習アルゴリズムにも容易に見分けがついてしまうため、画像から虹彩部分だけを切り抜いて使用したとか。
そうして作成したデータベースにより機械学習アルゴリズムを訓練した後に、訓練プロセスに含まれていない虹彩画像を使ってテストを実施したところ、ほぼ正確に死人の虹彩を判別できたとのこと。死者の標本を間違って生きていると誤判定した確率は、約1%に過ぎないとされています。
ただし、この高精度はあくまで「死後16時間以上が経過した虹彩」にのみ有効です。Trokielewicz氏は「死亡後に短時間(本研究では5時間)のうちに採取されたサンプルは、生死を判定できるほど十分な死後の変化が現れていない」と述べています。
つまり、死にたてホヤホヤの虹彩であれば認証を突破できる可能性が上がるわけで、犯罪者にとっては「タイムリミットの時間が短くなる」ぐらいのハードルともいえます。
しかも昨年、ドイツのハッカーが赤外線撮影した画像を印刷した上で目の部分にコンタクトレンズを置き、サムスンのGalaxy S8の虹彩スキャンを騙してロック解除した実例を示した件もありました。
虹彩認証を判定するAIは訓練しだいで賢くなり、より精度が上がる余地を残している可能性もありますが、結局は「虹彩認証を受ける人を見つめる係員という"人の目"」が最終的な拠り所となるのかもしれません。
