By Leo Hidalgo

甘くてシュワシュワと爽快な炭酸飲料は時に無性に飲みたくなるものですが、「毎日飲まないと気が済まない」という人もたくさんいるはず。そんな炭酸飲料を毎日飲み続けると、自分の健康に一体どんな悪影響が現われてしまうのか、ということを科学的に解説したムービーが「What If You Only Drank Soda?」です。

What If You Only Drank Soda? - YouTube

世界中で1日あたり18億本以上のコカ・コーラが飲まれており、アメリカ人の半分近くが1日に少なくとも1杯以上のコーラや炭酸飲料を飲んでいるとのこと。時に砂糖が入った甘いドリンクを飲みたくなるのはおかしなことではありませんが……



もし毎日炭酸飲料だけを飲み続けたら、人間の脳や体にどのような影響が発生するのか、ということがムービーで科学的に解説されています。



炭酸飲料を口にすると、口内が酸性になり、歯のエナメル質の腐食が進みます。また、炭酸飲料に含まれる糖分は微生物の栄養になるため、むし歯の進行も早めてしまいます。



炭酸飲料を1缶飲むと体内におよそ46gの砂糖が摂取され、舌にある受容体は糖分に反応して大脳皮質に信号を送ります。その結果、脳の報酬系が活性化され、「もっとほしい!」と感じてしまうようになるとのこと。快楽のままに1日の推奨量の水と同じ分量の炭酸飲料を1週間飲み続けるだけで、余分に5432カロリーも摂取することになります。



ある研究によると、多くの人が飲み物のカロリーを計算に含めないため、思っているより多くのカロリーをとってしまう傾向にあり、1977年〜2007年にかけて増加傾向にあるアメリカ人の体重において、炭酸飲料が体重増加の原因の5分の1を占めていることがわかっています。



炭酸飲料の主要な甘味料である果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)が、体内で砂糖と同じように代謝されないのも問題のひとつです。果糖ブドウ糖液糖は摂取しても血糖値を高めない代わりに、心血管疾患の危険性を高める肝臓脂肪を増加させるという特徴を持っています。インスリンレプチンといったホルモンが刺激されないため、満腹でも正常に信号が送られず、食べ過ぎの原因になることがあり、糖尿病のリスクを高めてしまいます。



かといって砂糖入り飲料の方が良いわけではなく、ある研究では、加糖飲料に含まれる砂糖の分量を減らすことで、100万人以上の肥満患者を減少できることを示しているとのこと。



通常の炭酸飲料の代わりにダイエット・ドリンクを飲むのはどうでしょうか。肥満防止のため、カロリーゼロの飲料を飲んでいる人は多いかもしれませんが、人工甘味料もまた、体重の増加に関係しています。

ある実験では、カロリーゼロのダイエットドリンクを飲んでいる人は、普通の加糖飲料を飲んでいる人よりも食欲が旺盛になるという結果が出ています。これは「いつもよりカロリーが低い飲み物を飲んでいる」という意識から、「いつもより余分に食べても大丈夫」という心理が働くためと考えられています。また、人工甘味料が耐糖能異常を引き起こして糖尿病を引き起こす可能性も指摘されています。



毎日炭酸飲料を500ml飲む人は、喫煙者並みに老化が進むという研究結果も発表されており、具体的には老化と関係のあるテロメアが短くなるという影響を与えるとのこと。



毎日500mlの炭酸飲料を飲むだけでも、老化が4.6歳進むと言われているのですが、もしも、毎日2リットルの炭酸飲料を飲んだとしたら、一体どのような影響が生じるのでしょうか。実際にそんな生活を16年送った女性は、31歳で入院することになりました。心臓病の家族歴がないはずの彼女は、不静脈や失神の発作などを抱えていたほか、炭酸飲料に含まれる加糖とカフェインの利尿作用と下痢の影響により、極度のカリウム不足に陥っていたそうです。



治療の結果、幸いにもその女性は回復を遂げたとのことですが、同様に人間の体は驚異の回復力を持っているわけなので、「炭酸飲料飲みすぎているかも……」と思い当たる節がある人は、今からでも飲む量を減らすことで、もっと健康的に過ごせるようになるかもしれません。