打撃の上下の散らし、ラウンド終盤のテイクダウン成功と、戦術的にも優位に立つトムソンだが、ここから先の2Rは未知数。驚異的なスタミナを誇る王者も十分に逆転が可能だが――、終盤4Rを迎えても、トムソンの前進は止まらなかった。

トムソンは、手数こそ若干少なくなっているが、要所で前蹴り、左ミドルをヒットさせていく。左の前蹴りでチャンピオンの前進を止めると、左ミドルを二連発。左右のローキック、左右にサークルワークを繰り返し、メレンデスに的を絞らせない。

メレンデスがロングレンジのパンチを繰り出すと、組みついてヒザ蹴り。ならばとアッパーを見せる王者。両者、互いに手を緩めない。と、ここでトムソンが飛び込んで、一気にテイクダウンに成功する。サイドからバックについて、チョーク。必至で腕を振る抜いた王者だが、トムソンはしっかりバックをキープし、バックグラブから腕をチャンピオンの首に巻きつけていく。何とか、ホーンに救われたメレンデス、挑戦者は大きく両手を広げて、自らの攻勢を観衆にアピールした。

最終ラウンド、勝利にはKOか一本勝ちしかないメレンデス。躍起になって前へ出るが、これを前蹴り、そしてテイクダウン狙いで拒むトムソンが、しっかりとテイクダウンを奪い、さらに試合を有利に進める。

ここで無理に攻めることなく、メレンデスの抵抗に体を預けるように立ちあがったトムソンは、左ローキックでメレンデスの反撃の芽を刈っていく。左フックを放つ王者、トムソンはこの攻撃をかいくぐりヒザ蹴りを入れ、メレンデスの体が伸びたところで、がら空きになった顔面にストレートをヒットさせる。

残り2分、ケージにメレンデスを追い込みながらも、身体を放して一気に距離を取る。必至に追い掛けてくる王者にカウンター、首相撲からヒザを見舞い、仕上げはテイクダウンからバックへ。再び距離をとったトムソンは、王者メレンデスの最後の前進にも、片足タックルからバックを奪い試合終了時までペースを握ったままタイムアップ。結果、ジャッジ3者全員が50-45のフルマークをつけ、トムソンが勝利を挙げた。

「とにかくテイクダウンで負けないようにと心がけていた」と、試合のキーポイントを語り、AKAのチームメイトに感謝の言葉を残した新王者。UFC王者BJ・ペン、EXC王者KJ・ヌーン、戦極の五味隆典、7月21日に決定するDREAMライト級GP覇者。彼らに何ら見劣りする点がない、素晴らしく完成度の高い、ストライクフォース世界ライト級王者ジョシュ・トムソンが誕生した。

ストライクフォース“MELENDEZ vs THOMSON”試合結果一覧へ