日本代表は20日、北中米ワールドカップのグループリーグ第2戦でチュニジア代表と対戦する。19日には森保一監督が試合会場のモンテレイ・スタジアムで前日記者会見に出席した。

 以下、試合前日の会見要旨

―初戦のオランダ戦で貴重な勝ち点1を手にした。価値のある勝ち点1だと話していた。モンテレイは非常に暑い場所だが、どういう位置付けで臨むか

「オランダ戦は選手たちが非常に良いパフォーマンスを見せてくれて、最後まで粘り強く戦い、勝ち点1を掴み取ってくれた。このW杯に向けてチームが大きな目標を掲げて戦っているところを選手たちが見せてくれたと思う。オランダ戦で選手が非常に良いプレーをしてくれたが、誰も満足していない。オランダ戦の戦いがこのチュニジア戦の勝利を約束してくれるかというとそうではないと思っている。このチュニジア戦、チュニジアは監督も代わって、非常にモチベーション高く、死に物狂いで1戦目の敗戦を取り返し、W杯のグループステージを突破するために戦ってくると思う。彼らが死に物狂いで戦ってくるというメンタリティに受け身にならず、我々もモンテレイで戦う試合、勝利するために相手よりも強い気持ちを持って、さらに我々が前進していくんだという気持ちの準備が必要かなと思っている。おっしゃられた通り、1戦目のダラスの空調が効いた試合とは全く環境が違う暑い中での試合になり、選手にとっても非常に厳しい環境だと思っている。しかしながら、その環境も想定して事前キャンプをモンテレイで実施した。すでに暑熱対策とモンテレイの街の環境等々を一度経験しているので、良い準備をしてきたことで、選手たちが落ち着いて、思い切ってパフォーマンスを出してくれると思っている」

―大会も対戦相手も違うが、カタールW杯はドイツに勝った後、第2戦で痛い敗戦を喫した。前回の教訓、そこからこの試合に活かさなければいけないところは。

「おっしゃる通りだと思う。前回と同じシチュエーションではないが、第1戦でいわゆる世界のトップトップと言われるような強豪と戦って、良い試合をして、第2戦に向かうところでは同じような状況かなと思っている。おっしゃられる通り、もう答えも言ってくださった。前回の痛い思いをした経験を、今回は結果をもって経験を活かせるようにチームとして全力でパフォーマンスするところ、全力で勝利を掴み取りにいくところを、勝って我々のサポーター、国民の皆さんと喜びを分かち合えるようにできればと思う。そういう意味では選手たちはオランダ戦の戦いはオランダ戦、このチュニジア戦がもっと厳しくなるという戦いを想定して、気持ちの部分でも戦術的な部分も準備してくれていると思っている」

―テクニカルエリアでの審判に対する振る舞い、コミュニケーションについてどのような方針を持っているか。新しいルールがかなり増えているなか、監督から「おかしいじゃないか」ということも大事だと思うが。またアイスランド戦の試合終盤、第4の審判員には何を抗議していたのか

「審判に対してはリスペクトの気持ちを持っている。試合が成立するのもレフェリーの皆さんがジャッジしてくれるからこそ試合が円滑に進み、試合が成立すると思っているので、リスペクトの気持ちは常に忘れずに試合に臨んでいる。ルールに関して言うと、新しいルールがいくつか適用されて、まだまだスムーズにいっていないところはあると思うので、そういった意味ではルールを守るために分からないこと、気にかかることがあればレフェリーとコミュニケーションを取って、聞いて、我々がルールを遂行できるようにしていきたいと思う。自分から話すのはW杯のことだけで十分かなと思う。アイスランド戦のことに関しては自分が違うなと思ったことはコミュニケーションということでお話をさせていただくことはこれからも続けていきたいと思う」

―(海外記者から)チュニジアの記者です。4年前(22年6月のキリンカップ)にチュニジアは日本に勝利した。スウェーデンに負けたチュニジアは同じことを明日できると思うか

「できれば我々が勝ちたい気持ちは持っている。しかしながらスウェーデン戦のチュニジアではないと思っている。(新たに就任した)ルナール監督が選手たちの良さを引き出し、チュニジアの過去の戦いでの良さを出せるところを見い出して、選手たちに落とし込んでいると思うし、ルナール監督の熱いパッションが伝わるミーティングコミュニケーションを取っていると思いますので、全く別チームと戦うということを覚悟しなければいけないと思っています」

―チュニジアの戦術、戦い方の印象は。

「チュニジアは全体的に個々の選手たちの能力が高いと思っている。これまでのチュニジアとの対戦であったり、チュニジアの試合を見てきた中では堅守速攻で、本当に守備の固いチームだと思っています。そして、相手の隙を突き、チャンスを作る、得点に結び付けられる素晴らしいチームだなと思っています。実際にアフリカ予選は無失点で勝ち上がってきているし、明日は局面局面で厳しい戦いになると思っている」

―(海外記者から)ブラジルの記者です。日本のサポーター、日本の選手たちは競技場で試合が終わったら掃除をする、片付けをする、ロッカールームも綺麗にしている。それについてコメントを。

「これは本当に日本が世界に誇れる文化かなと思っている。多くの国民の皆さんが『帰る時は来た時よりも美しく』という言葉を知っていると思うし、そういった意味で我々チームも最後にロッカーの掃除をして帰っている。サポーターの皆さんはスタジアムでゴミを拾って帰るところ、そこは日本の文化かなと思う。私自身は選手として、指導者として、ブラジル人の指導者や選手、世界のいろいろな国の人たちと接してきたが、『違うだろう』と言われたこともある。それは何かというと、ゴミ拾いをすると、ゴミを綺麗にすると、ゴミを拾う人たちの仕事をなくすことになるんじゃないのかということを聞かれたり、言われたりしたことがある。それも本当に考え方の一つとしてそうだなと思うが、日本人は基本的には美化の意識があり、ゴミをそこらへんに捨てたりとかということはやらない民族かなと思っている。(※一度は話し終えたが、雑音トラブルで次の質問に移れないため言葉を続ける)リペアしているとのことなので。ピッチ上でもブラジル人の選手やスタッフと話になったことがあって、先ほどのゴミを拾うとか、綺麗にすることだけではなくて、例えばピッチ上でゴールを使います、ボールを使います、いろいろな器具を使いますとなった時に、日本人の選手やスタッフはみんなが手伝ってボールを片付ける、ゴールを片付けることであったり、スパイク等々も管理することをやっていたところ、ブラジル人の用具係から言われたことがある。『俺の仕事を無くさないでくれ』と。ただそれはそれで仕事はなくならないと思うし、本人の責任としてホペイロの仕事はしっかりしてもらうけれど、常に助け合うということ、みんなで協力しあっていくということを、日本人はやる民族かなと思っている。昨日もナッシュビルでのトレーニングがあった時に、芝がついたボールをみんなで綺麗にして片付けていて、それをコーチ陣も実は練習が終わった後にやっていたんですけど、ナッシュビルの芝の管理をしてくれている方も一緒になって、日本人メンタリティで片付けをしてくれていた」

―(海外記者から)日本代表とあなたにとってW杯の1000試合目をやることはどのような意味があるか。歴史に名前が残ることになるが。

「非常に光栄な試合をできるということで幸せに思っている。W杯1000試合の節目の試合を、ここモンテレイで、我々日本代表とチュニジアとの戦いを世界中の人に注目して見てもらえることを本当に幸せに思っている。W杯の1000試合という歴史にふさわしいような試合を明日繰り広げたいと思っている。余談ですけど、チュニジアと……やっぱりやめておきます。明日いい試合ができるように全力を尽くします」

―森保一監督自身は2度目のW杯の指揮になるが、前回との心境の変化、見え方の違い、異なることを感じているか。

「見え方の違いとか心境の変化はないかなと思っている。なぜなら目の前の試合に勝利するために最善の準備をする、試合には全力を尽くすことは変わらない。ただし前回のW杯で監督として参加させていただいて、W杯のプレー強度であったりというところはやはり過去に経験したからこそ自然と受け止められて、そこに対処することができているとは思う」

―(海外記者から)メキシコの者です。先ほど1000試合目のことについて語っていたが、そのことについて聞きたい。高円宮妃殿下がご覧になると聞いている。昨日には会われて激励されたということだすが、外交官の方々もいらっしゃって激励されたということだがより責任を感じているか。

「1000試合目ということで妃殿下が激励に来てくださり、試合も応援してくださるということでまずは素晴らしい試合を見せたいと思う。我々は勝って世界中の方々に見ていただきたいし、そして妃殿下にも勝利を喜んでいただきたい、国民の皆さんにも勝利を見ていただきたい、喜んでいただきたいという気持ちでいる。ただし、責任としては毎回の試合で変わらないと思っている。それは何かと言うと、我々が選手を持っている力を、今の力を最大限に発揮して、試合でチーム一丸となってタフに粘り強く最後まで戦い抜く姿勢を見せることが、我々にできる基本的な姿勢だと思っているので、そこは選手たちとも毎回共有をして、明日の試合も変わらず、今の自分たちのベストを尽くすことを明日の試合も見ていただいて、責任を果たしたいと思っている。そしていま外交の話もいただいたので、日本とチュニジアの国交が成立して70周年ということにもなると聞いています。そういった意味ではサッカーを通して、フットボールを通して国と国がつながる、人と人がつながる、違う価値観、違う文化がつながるということを、サッカーを通して世界の人たちに感じていただけるようになれば嬉しい。世界では戦争、紛争が続いたりしているが、サッカーを通して世界平和に近づくような試合ができればなと思っている」

―メンバー変更の考え方は。前の試合の課題で改善を見せたいところは

「質問していただいたことには真摯に応えたいと思うが、そこは控えさせていただいてもよろしいですか?何人変えるはまだわからないですし、実際に今日の練習を見て最終的に決めたい。みなさんの知りたいことにはできるだけ教えて、話していきたいと思っているが、日本人の皆さんも記者の皆さんも日本代表チーム、日本サッカーチームの一員だと思う。出た情報が相手にどれだけ安心を与えるかであったりということも踏まえて考えていただければと思う」

―(海外記者から)アメリカの記者です。ホワイトボードの数字の意味は。何のためにやっているのか。

「選手に時間を知らせるために行った。というのも電光掲示板が真上にあって、実は時間は出ていたが、選手たちからすると上を見上げないとわからないところに時間の表示が出ていて、多くの選手が時間を把握できておらず、ベンチに何度も時間を聞いてきたので、でも言葉で言っても聞こえないし、指で示しても見えないということでどうしようと思った時にホワイトボードに書いて示すことが選手に一番伝わるかなと思って実践した」

(取材・文 竹内達也)