JERAの奥田久栄社長=今利幸撮影

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 国内発電最大手JERAの奥田久栄社長が読売新聞のインタビューに応じた。

 中東情勢の緊迫化を受け、発電に使う液化天然ガス(LNG)の価格は高騰している。奥田氏は電力需要が高まる夏場に電力価格を抑制するには、LNGの追加購入を減らす必要があるとし、消費者による「無理のない範囲での節電」を訴えた。

 国内全体で発電される電力のうち、LNGを使った火力発電は3割以上を占める。需要が高まる夏や冬は、長期契約で足りない分を短期的な需要に応じて売買する「スポット市場」で購入して補っている。しかし、中東情勢を受けてスポット市場のLNG価格は高騰している。

 奥田氏は「スポット(市場)のエネルギーを取れば取るほど電気料金が上がってしまう。お客様に無理のない範囲で無駄な電気の使用を控えていただきたい」と強調した。電力使用量を減らし、LNGの消費を抑えることで、「(電気料金の)国民負担を下げていくことになる」との考えだ。

 一方、価格の安い石炭の活用も進める。JERAは二酸化炭素の排出量が多い「非効率石炭火力」を2030年までに全て停止する目標を掲げ、今年度は閑散期に一部の石炭火力発電所を休止させる計画だった。これに対し、奥田氏は、「(石炭火力を)平時には出力を絞り、有事にフル稼働させる」と述べ、従来の方針を一時的に転換する考えを示した。

 イランによる攻撃で中東のLNG生産設備の一部が破壊され、主要な生産国のカタールでは供給量が17%落ち込み、JERAはLNG価格が今後も高止まりすると見込む。奥田氏は「長期的には化石燃料の高騰に強い経済基盤をつくるべきで、省エネや節電に官民共同で取り組む必要がある」と述べ、国を挙げての対応を訴えた。