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 2006年トリノ五輪女子フィギュアスケート金メダリストの荒川静香さん(44)が映画初出演した。12日公開の映画「hinata」(監督堤幸彦)で、物語の根幹を担う謎の人物を怪演。本紙の取材に応じ、心境を語った。

 世界の頂点に立った氷上の表現者が、スクリーンでも魅せた。舞台は葬儀場。「故・沖村ひなた」の葬儀に集まった20人全員が弔辞を読む中で、それぞれ全く異なる人物像が浮かび混乱を招くミステリーだ。荒川さんは沖村ひなた役で最終盤に登場。約3分の長ぜりふを披露し、必要最低限の身ぶりや細やかな目配せなど“静”の演技も光った。

 金メダル獲得直後、テレビ朝日「7人の女弁護士」に出演したが多忙な日々が続き、準備が不足。フィギュアとは異なる表現にも苦戦して満足に演技できず「トラウマになった」と振り返る。

 それでも今回出演を決めたのは堤監督の熱烈オファーがあったから。昨年7月、堤監督が演出したアイスショー「氷艶2025」に出演した際、「お芝居に寄った私を見たい、と思ってくださったらしい」と映画出演を打診された。“トラウマ”から20年がたち「ワクワクした」という。「演技中は必死」だったが「監督に身を委ねた」。期待に応えようと懸命に演じた。

 女優に本格的転身かと思いきや「ないと思います。これが最後かも」と笑った。映画は東京都世田谷区の「シモキタ―エキマエ―シネマ K2」で公開され、全国で順次上映。「複雑でユーモアのある作品。ぜひ楽しんで」とアピールした。

 ≪「しょまりん」に心温まるエール≫映画での演技に初挑戦した荒川さん。現役復帰してアイスダンスに挑む宇野昌磨さん(28)、本田真凜さん(24)にエールを送った。2人は30年フランス・アルプス地域五輪を目指すと発表しており「シングルスケーターから違う形で五輪に挑むことは難しいと思う。しっかりと練習して、頑張ってほしい」。新たなステージで勝負する「しょまりん」を温かく見守るつもりだ。

 ◇荒川 静香(あらかわ・しずか)1981年(昭56)12月29日生まれ、東京都出身の44歳。仙台市で育ち、5歳でスケートを始める。06年にプロ宣言し、国内外のアイスショーを中心に活動。スケート解説や五輪キャスターなども務める。13年に一般男性と結婚し、2児の母。映画「ゴーちゃん。〜モコと氷の上の約束〜」(18年公開)で声優を務めた。

 ≪アイスクリーム店経営 プロレスラーに転向も≫▽五輪メダリストの引退後 指導者や解説者に進む人が多い中、珍しいキャリアを選ぶ人もいる。ロンドン五輪柔道女子57キロ級金メダリストの松本薫さん(38)は都内でアイスクリーム店を経営。東京五輪柔道100キロ級金メダルのウルフ・アロン(30)は今年1月にプロレスラーとしてデビューした。