中国のEU港湾における影響力拡大を抑制する計画が具体化へ―仏メディア
2026年6月9日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、欧州連合(EU)が域内の重要港湾における中国の影響力拡大を抑制するため、外国投資の審査強化を盛り込んだ新たな指針の策定を進めていると報じた。
記事は、EUが域内港湾への外国投資を評価する新たな指針作成に着手したと紹介。また、EU加盟国の交通相らが、重要な港湾のインフラや運営が外国によって過度に管理・所有されることを避ける宣言を支持する予定であると伝えた。
そして、港湾を単なる商業拠点ではなく、サプライチェーンやエネルギー安全保障、軍事機動性を支える戦略的資産と再定義するとし、安全保障上の観点から欧州が考え方を大きく転換させたことを示すものだと解説した。
また、この動きの主な狙いについて、拡大する中国の影響力に対処するためであると指摘し、中国海運最大手の中国遠洋海運集団(COSCO)などの中国国営企業が、ドイツのハンブルク港やオランダのロッテルダム港、ギリシャのピレウス港といったEUの主要港の株式をすでに保有している現状に言及した。
その上で、かつてのドイツによるロシア産エネルギーへの依存がウクライナ侵攻時に経済的打撃を招いた教訓に基づき、重要インフラを中国側が所有することによる経済的・政治的な依存への懸念が政府内で高まっているとした。
さらに、ウクライナ侵攻や中東紛争といった地政学的なリスクが高まる中、中国などの戦略的競合国がEU域外である北アフリカやバルカン半島などの隣接する第三国の港湾への投資・支配を進めることにより、欧州のサプライチェーンの安全性が脅かされたり、EU近隣の港の競争力が低下したりすることを警戒し、域外の隣接国への投資についても監視を強化する方針であると伝えた。
記事はその一方で、欧州の港湾における投資環境を損なうことを避け、信頼できる投資家を遠ざけないようEUが慎重に行動していることも付け加えた。(編集・翻訳/川尻)
