スポニチ

写真拡大

 声優アイドルユニット「ピュアリーモンスター」の白城もえのは、アイドル活動において自分自身よりも「グループ全体」が輝くことに全力を注いでいる。ソロインタビューの第2回で浮き彫りになったのは、自らを「広報担当」と位置づけ、メンバーの魅力を世に知らしめることに情熱を燃やす無私無欲の姿勢だった。(「推し面」取材班)

​ 1人になった時間、スマートフォンの画面を見つめる白城の視線がある。

 年明けから本格的に始めたという、TikTokやInstagramの運用。画面の向こうで弾ける仲間の笑顔を指先でなぞる横顔には、慈愛に満ちた温かみが漂っていた。

 ​「自分のことでよく言うのは『顔芸担当』なんですけど(笑)。向かい合ったメンバーにステージ上で変顔しちゃったり、とにかく『顔がうるさい』と言われるんです。個人仕事の時とかも『顔が騒がしかったね』って言われるタイプなんです」

 ​確かにインタビュー中もコロコロと表情が変わる。対面する取材班も、表情を見ていてちょっと忙しいくらいだ。

 だが、そのコミカルな自己分析の直後、言葉の芯に真っ直ぐな決意が混じった。

 ​「でも私、ピュアモンの『広報担当』でもあると思うんです。TikTokの運用を頑張ったり、Instagramにも積極的に更新たりして。とにかくみんなが可愛いんですよ! メンバーみんな可愛いんです。それを広めたくて。ピュアモンも広めたくて。だからこれからも、ピュアモンを知ってもらえるように頑張っていきたいなと思ってます」

 ​個人の名前で勝負する声優の世界において、他者を売り込む「広報」という役割に徹することに、焦りや葛藤はないのだろうか。

 こちらの問いかけを、白城は真っ直ぐな瞳で正面から受け止めた。

​ 「葛藤ですか……。でもやっぱり、グループを大きくしたいというのが一番ですね。もちろん自分も売れたら儲けもんですけど、自分を売るのは個人の仕事でやったらいいこと。グループのためにも個人仕事を頑張って、そこで得られたものをグループに活かしたい、という感じですね」

 そこに迷いは微塵もなかった。

 ​個々のメンバーが外の世界で戦い、そこで得た成果を持ち帰る。それが現在の7人体制の強みになっている。

 ​「最近になって、私たちも声優として個人のお仕事のバリエーションが増えてきて、それぞれが外で活動しています。そこで培ったものを持ち帰ってきて、自分の得意なことや強みをちゃんと自覚できている。そういう部分を、それぞれがしっかり出せているんじゃないかなと。だからグループとしても、どんどん強くなっていってるって思います」

​ そんな強固な絆で結ばれたグループだからこそ、引き寄せられるファンの熱量もまた、尋常ではない。

 活動の中で「ピュアモンで良かった」と心から実感したエピソードを尋ねた瞬間、取材現場の空気がしっとりと塗り替えられた。

​ 話は、今回のシングルで行った初の地方遠征、仙台での出来事に遡る。他グループとの合同イベントで、温かい言葉を掛けられたという。

​ 「別のグループさんのファンの方が特典会に来てくださった時、一緒に横移動とかして盛り上がってくださったんです。『一緒にやってくれてありがとう』って伝えたら、『ピュアモンのファンの方が、うちのグループの時にめちゃめちゃ盛り上げてくださってたから』って言ってくださって……。改めて耳にすると嬉しいなと思って。そういう、みんなのあったかさとか……」

 ​そこまで一気にまくしたてると、不意に言葉が途切れた。

 数秒の、濃密な沈黙。その脳裏に再生されていたのは、リリースイベント最終日、2部の幕開けの光景だった。

 「君がいた渚」のイントロが流れた瞬間、目の前に広がった忘れられない景色。

 ​「みんなが、渚っぽい『水色』のペンライトにしてくれてたんです。なんか、それがもうすごく嬉しくて。みんなが一丸となって盛り上げようとしてくれてるのがすっごい嬉しくて。ずっとそうなんですけど……加入してからずっと、みんなあったかくて……」

​ 一気に潤んでいく瞳。あふれる感情を食い止めるように涙をこらえ、照れくさそうな笑みを浮かべた。

​ 「本当に、私たちの自慢なんですよ、ファンの方は。だからみんなの自慢でいられるようにありたい。グッズ買ってくれたりとか、もう本当に感謝が止まらない。みんなありきですね、ピュアモンは。……恥ずかしい。すいません」

 そう言って、あふれ出た涙を指先で拭った。

 ​誰かと競い合うことの多い日々の中で、白城が見せてくれるグループ愛と献身の物語は、応援するファンの心を内側から温かく溶かしていく。