高市陣営の元スタッフが激白…「スパイ疑惑」も飛び交うほど”怪しい面々”が出入りする「事務所の裏側」

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「陣営にスパイが入っていますね」

高市早苗首相の周辺が相変わらず騒がしい。

2月の総選挙で圧勝し、一強体制を築いた高市首相だが、昨年の自民党総裁選で自身の陣営が他候補を中傷する動画を大量投稿していた、とされる疑惑がくすぶっているのだ。公職選挙法違反の疑いがある「SANAE TOKEN(サナエトークン)」なる暗号資産への陣営の関与も取りざたされているが、そもそもなぜ彼女の選挙戦にはトラブルを呼び込む面々が集うのか。

「ガバナンスが効かない陣営の体質は2021年の総裁選から続いている」と証言するのは元陣営スタッフの一人だ。日本初の女性宰相に成りあがった高市首相の「原点の戦い」をひも解いてみよう。

「陣営にスパイが入ってますね」

21年の自民党総裁選の最中、こんな不穏なやり取りが高市陣営の関係者間で交わされていた。「誰かが私を嗅ぎ回ってるんですか?」との記載もある。2021年9月、高市首相の陣営に加わっていた、ある企業家と陣営スタッフとの間で交わされたLINE上でのトークの一部である。

「総裁選に向けた政策立案にも関わっていた」という二人の“会話”からは、陣営内に疑念が広がっている様子がうかがえる。

夫の呼びかけで有象無象が集まって

この年の9月29日に投開票された自民党総裁選は、決選投票で岸田文雄氏と河野太郎氏が菅義偉氏の後継を巡って争い、岸田氏が257票を獲得して勝利し、第27代総裁の座を手にした。そして、この政治決戦に「初の女性首相」の肩書を狙って初名乗りを上げたのが、高市首相、その人だった。

「推薦人代表を、旧安倍派(清和会)で有力者の『5人衆』の一人に挙げられていた西村康稔氏が務め、側近の黄川田仁志・内閣府特命担当相や木原稔官房長官らが推薦人に名前を連ねました。財務相の片山さつき氏ら、現政権を支える面々が集まっていましたが、選挙戦全般を実質的に取り仕切っていたのは夫の山本拓氏でした。選挙戦略の立案から選対スタッフの人選まで彼が主要な役割を担っていました」(全国紙政治部記者)

山本氏といえば、高市首相が'25年10月、3度目の挑戦で自民党総裁に選出され、日本初の女性首相に就任した際、記者団の取材に「目立たない『ステルス旦那』という形でしっかり支えていきたい」と“内助の功”をアピールしていたのが記憶に新しい。

「ガラスの天井」への初挑戦だった2021年総裁選でも高市首相を陰に日向に支えた。そんな山本氏の呼びかけを受けて集められた選対の中に前出のスタッフもいた。陣営に招き入れたのは、冒頭に紹介したLINEトークの送り主である企業家・S氏だったという。

「高市陣営に入っておくとオイシイ」

元スタッフは、「付き合いのあった投資家から紹介を受けたのがこのS氏でした。彼は米系投資銀行やヘッジファンドのトレーダーを経て、知り合った当時はエンジェル投資家を名乗っていました。'21年の総裁選の後には、債務超過に陥った老舗のメーカーを買収し、社長に就任しています。彼から『いま高市陣営に入っておくとオイシイから』と誘いを受けたのがきっかけでした」と打ち明ける。

この元スタッフはマスコミとのコネクションが豊富だったため、人脈を生かしたさまざまなタスクが与えられた。そのひとつが「スキャンダル対策」だった。選挙戦の最中は、たびたび高市首相の「交友関係」や「過去の行動」について焦点が当てられた。いくつもの舌禍が党内で問題視されていた杉田水脈氏との関係や、極右政治団体「国家社会主義日本労働者党」代表とツーショットを撮ったことへの説明、ナチス・ドイツの政治手法を評価した著書に推薦文を寄せた過去についてなど、元スタッフは関係各所から取材を受けて対応に当たったという。

「陣営をまとめていた山本さんは兄貴肌。周囲から『山拓さん』と呼ばれて慕われてはいましたが、陣営内は混乱を極めていました。それというのも、今でも課題とされていますが、高市さんの党内基盤は圧倒的に弱かった。実務の取りまとめがしっかりできる人材がいないために陣営内のガバナンスは壊滅的でした。陣営内の話が外に漏れることも頻繁にあり、みんなが疑心暗鬼になっていました」

企業家たちの「梁山泊」

冒頭に紹介したLINEのやり取りからも、当時の陣営内の空気がうかがえるようだ。S氏ら、山本氏が中心となって集められた「チーム」には、ほかにもさまざまなメンバーが集まってきていたという。

「ドローンの開発を手掛けるスタートアップを起業したX氏も陣営に関わった一人。彼らが起業したA社は、『空飛ぶバイク』の開発で注目を集め、2023年には米国のNASDAQで上場を果たしました。ただ、会社内での内紛もあって急速に資金繰りが悪化。'24年には11億円超の負債を抱えて破産しました。当時の出資者の中には、いまだに不満を抱えている人が多いそうです」

野心家の企業人が陣営内に入り込んでいた当時の総裁選の構図は、「サナエトークン」の問題や、陣営による他候補の中傷動画の大量投稿疑惑といった火種を“延焼”させた実業家の溝口勇児氏らが入り込んでいった流れをほうふつとさせる。

「公選法違反さえ疑われる中傷動画の大量投稿に関わっていたとすれば、連座責任は免れませんが、高市さん本人が『何も知らなかった』というのはその通りだと思います。選挙戦に関わってみてわかりましたが、あの人は基本的に何も考えていませんし、何のこだわりもないと思う」

総裁選当時のホームページが「閉鎖」

そう振り返る元スタッフは、'21年総裁選の渦中でのあるエピソードを明かした。

「当時は河野(太郎・元デジタル担当相)さんが菅さんの後継として最有力視されていて、陣営も河野さんをライバル視していました。山拓さんに決選投票で河野さんと争った場合の『対河野太郎』の戦略立案を求められ、公約としている『靖国参拝』の封印を進言したところ、高市さんは易々とその求めに従ったのです。その時、思いましたよ。『党内きってのタカ派』というのもポーズだけなんじゃないのか、って」

総理総裁に上り詰めた高市首相は何を思い、どこを見据えて選挙戦を戦っていたのか。今回、証言のあった最初の挑戦でもある2021年の総裁選の記録を振り返るため、各陣営が作成したホームページをたどると、なぜか「日本を守る。未来を拓く。」をキャッチフレーズとした高市首相のそれだけは閉鎖されていた。

失敗に終わった挑戦を、「黒歴史」としたのか。その心中はベールに包まれたままだ。

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