Bitcoin Japan公式サイトより

写真拡大

日本の証券市場には、ビットコインの名を冠する企業が1社だけ存在する。Bitcoin Japanと名乗っているこの企業は、1861年に創業している。

関連記事:複雑さで守られていた金融システムをAIが食い破る…暗号資産のハッキング事件で露呈したリスク

同社は2025年11月10日まで、堀田丸正という社名で知られていた。和装・宝飾品を取り扱い、日本文化に根ざしたビジネスを、100年以上にわたって営んできた。1974年には上場を果たしているが、直近10年の株価は2桁台から抜け出すことがほとんどなく、低位株の値上がりを目論む投機的な理由で株を保有している人が目立っているように見えた。

2017年には、多角化経営を推し進めていたRIZAPグループが堀田丸正をグループ企業に迎え入れ、共に事業の拡大を目指すような動きを見せていた。だが、RIZAPグループの多角化は失敗に終わり、Bitcoin Japanへ商号変更を行うタイミングで、資本関係を完全に解消した。

独立した会社として再び歩み始めるBitcoin Japanだが、同社でCEOを務めるフィリップ・ロード氏は、現時点でビットコインを一切保有していないことをX(旧Twitter)で明言した。ただ、投資することは決定しており、あとはいつ買うかを決めるだけだ、と述べている。

電力サービス業を展開するリミックスポイント、ホテル運営企業やレコード販売企業などを傘下に持つメタプラネットなど、ビットコインを保有する上場企業は複数存在するが、ロード氏を経営陣に迎え入れ、社名の変更まで行ってビットコインへの注力を行うと宣言することは、異例の試みだろう。

同社はビットコインへの注力を行うだけでなく、SpaceXへの投資を目指すファンドに出資したことも発表。祖業である和装関連の事業がどうなるかは明らかにしていないが、投資会社としての側面を強く押し出しており、事業の転換を積極的に行おうとしている。

ビットコインの価格は1000万円台を維持し続けているものの、年初来の推移を分析すると代表的な指標と比較してさえない動きが続いている。生成AIによってビットコインの暗号解読が可能になるなど、悪材料が相次いでいることが影響しているものと思われる。

暗号資産そのものの存在を脅かす不穏な空気が漂う中で、ビットコインの新規投資を明言したことになるが、決して一本やりで行くというわけではない。RIZAPグループのように異業種への参加を試みたことが吉と出るか凶と出るか。答えは1年後の通期決算で明らかになるだろう。

文/池田聖人 内外タイムス