失敗ばかりの傷つきやすい自分を許そう――大人のADHDのための「心のケア」術
対人関係のトラブルには、ADHDの特性が大きくかかわっています。とくに衝動性と不注意が原因になりやすく、ときには、取り返しがつかないほどのトラブルに発展することもあります。
自分の特性を自覚して、ものの言い方、気持ちのあらわし方、相手の気持ちを考えるなど、失敗を減らし、対人関係を改善するための具体的な方法を、書籍『大人のADHD「対人関係」マネジメント』より紹介します。
傷つきやすい自分を許そう
ADHDの人は、特性ゆえの失敗が多いかもしれません。その積み重ねで、「またやってしまった」と傷つくことも……。
けれども、悪意があったわけではないし、怠慢や不真面目だったからでもありません。あえていうなら、ADHDのせいなのです。「そんな自分でOK!」と、これまでの失敗を許しましょう。
■なんと声をかける?
もし目の前に、傷ついて泣いている子どもがいたら、あなたはなんと声をかけるでしょうか。その言葉を自分にかけましょう。小さな子どもは自分なのです。
〇残念だったね。今度はどんなふうにしてみようか
〇泣かなくてもいいよ。がんばったよね
✖何やってんの! ちゃんとやれって、いつも言っているでしょ!
✖いいかげんにしろ! まじめにやらないからだろ
■自分をケアしよう
失敗ばかりで傷ついているでしょう。これ以上傷を深くすることはありません。心の傷を自分でケアしましょう。また、ADHDの人は疲れやすいので、体のケアも必要です。
■自分に尋ねてみよう
気づかずに自分で自分を傷つけていることがあります。下記のようなことになっていないか、自分自身に尋ねてみましょう。
〇自分を傷つけるパターンに陥っていないか?
1つの失敗でも、「いつも」と拡大解釈してしまうなど
あれ? 失敗したかも→失敗した!→またやった→いつも失敗する→私ってダメだ
〇なんでも「批判」ととらえすぎていないか?
これまで否定されたり、叱責されたりすることが多かったため、なにげない言葉も批判と受け取りがち。例えば「そそっかしいね」は単なる感想では?
自分のいいところに目を向ける
自己嫌悪に陥り、ひどく落ち込んだとき、自分で自分の心を支えていけるようになりたいもの。
自分にもいいところはあるはずです。長所に注目して、自分を認めましょう。自分のいいところがわかれば、心が安定します。何かあっても、困難に立ち向かう力がわいてくるでしょう。
まず、これまでの成果に注目してみます。努力の結果、できるようになったことがあるはずです。また、「ポジティブ変換」も役立ちます。きっと自信をもてるようになるでしょう。
■成果に目を向ける
努力してできるようになったことがありませんか。成果を認めて、さらなるアップをめざしましょう。また、成果を得るたのコツは、目標を小さく設定しておくことです。
15 分間、片づけに集中できた、対人トラブルが今週は1件だけだったなど、目標は小さくしておくと何度も達成感が得られます。
■ポジティブ変換
多くのことをネガティブに考えがちなADHDの人。しかし、ネガティブな考え方も、ポジティブになりえます。自分ではダメだと思っていることも、ポジティブに変えることができます。例えば、下記のようにポジティブ変換できるのです。
■脳のせいにするのも
うまくいかないのは、性格のせいなどではなく、脳のクセのためです。
