3年ぶりにエルニーニョが発生しても冷夏にならない原因とは 今夏も猛暑と豪雨への備え必要
3年ぶりにエルニーニョが発生しそうだ。あるいは、もう発生しているかもしれない。しかも、夏から秋にかけて次第に強まり、一部では非常に強いエルニーニョ、俗に言うスーパーエルニーニョになるとも言われている。
以前はエルニーニョが発生すると、日本の夏は冷夏になる傾向があると言われていたのだが、近年は逆に猛烈な暑さになるおそれがある。
エルニーニョというのは、太平洋赤道域の暖かい海水の分布が通常と異なる現象だ。この熱帯の海は、大気全体を暖める熱源であると同時に、水蒸気の供給源でもある。
そして、赤道付近は赤道貿易風という東風が吹いていて、暖かい海水が、アジアの方に吹き寄せられているのが通常の分布パターンだ。このため、日本を含む東アジアの夏は非常に蒸し暑く、雨も多い。
ところが、なんらかの理由で赤道貿易風が弱まると、アジアの方に吹き寄せられていた暖水が東の方に広がってきて、赤道太平洋の中部や東部で海面水温が上昇する。これがエルニーニョだ。
以前は、アジア側にあった暖水が東の方に移動すると、その後に深海の冷たい海水が湧昇してきて、日本の夏は冷夏になり、天候も不順になると言われていた。1974年や1983年、1993年の冷夏は、エルニーニョ現象の影響と見られている。
しかし、その後状況が変わった。エルニーニョが起きて、アジア側から暖水が東に移っても、地球温暖化の影響で、深海から湧昇してくる海水も暖かいのだ。このため、エルニーニョが起きると、熱源がただ広範囲に広がるだけになった。
こうなると、北半球全体、あるいは地球全体に熱がばらまかれて、世界各地で極端な猛暑になり、日本も冷夏ではなく、猛暑になる。
また、水蒸気の蒸発量も増えて、世界各地で豪雨災害などの異常気象が現れやすくなる。日本も例外ではない。
最近では、2023年がエルニーニョの夏だった。この年は記録的な猛暑年でもあったが、梅雨には西日本や東日本の太平洋側で大雨に見舞われた。この夏も、猛暑と豪雨への備えが必要になりそうだ。
文/森朗 内外タイムス
