フランスの国家レアアース計画

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2026年5月6日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、フランス政府が中国によるレアアース(希土類)独占への依存を低減するため、日仏合弁のリサイクル工場を核とした国家戦略を推進していると報じた。

記事は、ロシア・ウクライナ戦争などの地政学リスクによりエネルギーや原材料の自給確保が各国の急務となっており、中国が独占するレアアースは西側諸国にとって大きな懸念材料であると紹介した。

そして、フランスの経済・工業相が5日にオクシタニー地域圏を訪問し、欧州初のレアアースリサイクル拠点となる「カレマグ(Caremag)」工場の建設現場を視察するとともに、国家レアアース計画を発表したと伝えた。

記事は、カレマグ工場がフランスの「カレスター(Carester)社」と日本の「JOGMEC(エネルギー・金属鉱物資源機構)」による合弁プロジェクトで、2億1600万ユーロ(約400億円)の資金を得て2026年末から27年初頭の稼働を目指していると説明。年間2000トンの永久磁石を回収してネオジム等の軽希土類を約800トン、重希土類を約600トン生産する計画であり、重希土類の分離生産能力は世界の約15%に相当すると伝えた。

また、フランス政府が税制優遇措置の28年までの延長や、戦略的プロジェクトへの保証条件緩和など、レアアース産業の競争力を高めるための複数の支援策を導入するほか、「欧州製」ラベルを洋上風力発電や自動車製造の分野で推進し、供給網の多様化を証明した企業に「フランス2030計画」に基づく支援を行う方針だと報じている。

記事は、国際・戦略関係研究所(IRIS)のギヨーム・ピトロン副研究員が、過去30年の中国との格差を数年で埋めることは困難であると指摘したことに触れた。

その上で、リサイクル技術の向上によって新たな道が開けることにも言及。フランス国立科学研究センター(CNRS)が循環型経済の視点からレアアース使用量を削減する可能性を示しており、産業廃棄物からの抽出など新たな手法の開発も期待されていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)