高市早苗氏の公式Xより

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衆議院の厚生労働委員会で24日、健康保険法などの改正案が賛成多数で可決した。

改正案は、出産費用無償化に向けた法整備やOTC(市販薬)類似薬の保険給付見直し、後期高齢者医療制度の見直し、オンライン資格確認の強化などが盛り込まれている。

出産費用の無償化は、出産育児一時金の支給額50万円を実質引き上げる仕組みに加え、出産に関わる費用の無償化を進めるための「保険外併用療養」の仕組みが整理される。

また、国保の保険料軽減として、子どもの均等割保険料の5割を軽減する措置の対象が未就学児から高校生まで拡大する。すでに、社会保険の加入対象の賃金要件が撤廃され、週20時間以上働く短時間労働者は会社の規模に関わらず加入することが決定している。

一方で、OTC類似薬の保険見直しは、解熱鎮痛剤「ロキソニン」や抗アレルギー薬「アレグラ」など約1100品目のOTC類似薬が保険の適用から外れる可能性があり、薬代の自己負担が25%増える。軽度の疾患に対する水分点滴や注射、簡易なリハビリなどが保険から除外され、全額負担へ移行。

後期高齢者の被保険者のうち、所得割を負担している約4割に保険負担額の引き上げがかかる。また、医療費が高額となった場合の負担額の引き上げが検討されている。

負担の公平性を確保

高市早苗首相は「必要な保険給付などを適切に行い、世代間や世代内での負担の公平性を確保するということとともに、限られた財源および医療資源を効率的に活用することを目的として本法案を提出したわけです」と説明した。

中道改革連合の早稲田夕季議員が「高額療養費等の支給を受けるものが治療費のために生活困窮することがないように政府としてどのような考慮をしていくのか」と質問。高市首相は「年収200万円未満の課税世帯の多数回該当の金額を引き下げるなど、家計の影響や長期療養者や低所得者に十分配慮した見直しといたしました」と答えた。

改正案は「医療費の増加を抑え、国民保険制度を崩壊させない」ことを目的としている。一方で、必要な医療を安価で受けられるという安心感は低下する。どこまで負担額を許容できるかという点で評価が分かれている。また、高齢化による医療費給付の財政悪化を背景に、現役世代の保険料上昇を抑えるための負担の転嫁という指摘もある。

改正案は、28日の衆議院本会議後、参議院に送られる見通しだ。高市首相は、2027年4月の施行を目指している。

文/並河悟志 内外タイムス編集部